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医療事務

【事例あり】今すぐ見直すべき医療リスクマネジメントをわかりやすく解説

公開日/2025.08.26 更新日/2026.03.03

医療機関を運営するうえで実施するべき「医療リスクマネジメント」。患者さんの安全だけでなく、職員の負担軽減や医療機関の信頼構築のためにも不可欠です。今回は、医療リスクマネジメントの基礎から実践的な対策までを解説。具体的な事例をもとに、原因分析や具体的な改善策を紹介します。

医療リスクマネジメントとは?

医療リスクマネジメントとは、医療現場で起こりうる事故やトラブル(ヒヤリ・ハットやインシデント)を未然に防ぎ、患者さんと医療従事者の安全を確保するための管理活動です。

具体的には、リスクの特定・分析・対策・評価・改善といったプロセスを通じて、安全で信頼性の高い医療提供体制を整えることを目的としています。医療リスクマネジメントは、すべての医療機関に対して継続的に求められる重要な取り組みです。

近年では、厚生労働省や医療安全支援センターがガイドラインを提示し、制度的な整備も進められています。

▼ガイドラインについてはこちら

厚生労働省「リスクマネジメントマニュアル作成指針」

厚生労働省「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの 提供事業者における安全管理ガイドライン」

医療リスクマネジメントの目的

【医療リスクマネジメントの目的】
患者さんの安全確保 医療事故やヒヤリ・ハットを未然に防ぎ、
患者さんにとって安全な医療を提供する
医療の質の向上 業務手順や職員の意識を見直すことで、
継続的に医療サービスの質を高める
医療従事者の負担軽減と安全確保 現場での不安やストレスを軽減し、安全な職場環境を整える
医療機関への信頼性の向上 透明性のある対応や再発防止策を通じて、
地域や患者さんからの信頼を得る
経営リスクの最小化 訴訟や行政指導などのリスクを回避し、医療機関としての安定経営を支える

医療リスクマネジメントの目的は、医療現場で発生しうる事故やミスを未然に防ぎ、患者さんの安全と医療の質を確保することです。単なるトラブルの回避にとどまらず、リスクの早期発見と再発防止、被害の最小化を図るための組織的な体制づくりが求められています。

また、職員一人ひとりの安全意識を高めるとともに、信頼性の高い医療提供体制を構築することも重要です。こうした取り組みは、医療機関の社会的信頼を支えるだけでなく、経営の安定にも直結する重要な役割を果たしています。

医療機関が知るべき2つの医療リスク

リスクの種類 定義
ビジネスリスク 医療サービスの提供や運営において発生する可能性のあるリスク
ファイナンシャルリスク 経営資金の不足や収支の悪化など、財務面での損失につながるリスク

医療機関が管理すべきリスクは、運営全般に関わる「ビジネスリスク」と財務面に関わる「ファイナンシャルリスク」の2種類に大別されます。ここでは、相互に密接な関係を持ち、安定経営に欠かせないこれら2つのリスクについて紹介します。

ビジネスリスク

①人的要因 知識・技術の未熟、ヒューマンエラーなど
②施設要因 診療体制の限界、病室・対応力の不足
③設備的要因 機器の老朽化、最新技術の導入遅れ
④組織的要因 情報共有不足、事故対策体制の未整備
⑤環境的要因 スタッフ不足、院内環境の不備(温度・動線など)

ビジネスリスクとは、医療事故や紛争など、日々の業務遂行に伴い発生するリスクを指します。これらは個人の技能だけでなく、ハード面や組織体制など多岐にわたる要因が複合して引き起こされます。

事故を未然に防ぎ、安全な職場環境を構築するには、現場の実情に即した管理が不可欠です。そのため、事業所それぞれで課題やリスクを徹底的に洗い出し、対策を講じる必要があります。

ファイナンシャルリスク

・診療報酬改定による収入減少
・設備投資や人件費の増加
・医療事故発生に伴う多額の損害賠償請求
・予期せぬトラブル発生時の資金不足

ファイナンシャルリスクとは、病院経営の財務面に関わるリスクです。具体的には、診療報酬改定による減収、設備投資や人件費の増加、医療事故による過大な賠償金発生などが挙げられます。

現在は従来の保護的な環境とは異なり、一般企業と同様の経営管理が求められる時代です。そのため、内部監査システムの構築や予期せぬトラブルに備えた資金計画の策定が欠かせません。

【リスク別対策案あり】医療機関に潜むリスクと発生原因

医療機関において、まずはどのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。以下は、公益財団法人 日本医療機能評価機構が発表した、2024年に事例情報報告参加医療機関から報告された「ヒヤリ・ハット事例」の概要と件数です。具体的なリスクと原因、その対策についても解説します。

【ヒヤリ・ハット事例の概要と件数】
事例の概要 件数 割合
薬剤 9,534 35.0%
療養上の世話 5,972 21.9%
ドレーン・チューブ 3,755 13.8%
検査 2,335 8.6%
治療・処置 1,303 4.8%
医療機器等 1,085 4.0%
輸血 133 0.5%
その他 3,155 11.6%
合計 27,272 100%

参考:公益財団法人 日本医療機能評価機構 医療事故情報収集等事業 2024年年報

薬剤の医療リスク

医療リスク 要因
薬剤の取り間違え 薬品名やパッケージの類似、保管場所の不備、確認作業の不徹底など
投与量の誤り 処方ミス、体重換算ミス、ダブルチェック不足、指示内容の誤解など
有効期限切れの薬剤の使用 在庫管理の不備や期限確認の怠り、廃棄ルールの不徹底など
薬剤情報の共有不足 電子カルテや記録の記載漏れ、引き継ぎ時の口頭伝達ミスなど
ヒューマンエラー 業務の多忙や疲労、注意力の低下、経験不足、確認作業の省略など

医療現場において、「薬剤」に関するヒヤリ・ハット事例は最多です。日本医療機能評価機構の2024年資料では9,534件と全体の35.0%を占め、療養上の世話やドレーン・チューブ関連の事例を大きく上回ります。具体的には、薬剤の取り違えや投与量の誤り、スタッフ間の共有不足などが挙げられます。

防止にはシステムと人の両面での対策が不可欠です。ただし、有効とされるダブルチェックも過度になれば業務負担を招き、逆にミスを誘発しかねません。そのため、業務の見直しや外部専門家への相談を積極的に行い、現場のオペレーションをシンプルかつ適正に保つことが重要です。

【対策】
・ダブルチェックの徹底
・バーコード管理の導入
・医薬品管理の標準化
・シンプルなオペレーションの導入

療養行為(療養上の世話)の医療リスク

医療リスク 要因
食事中の誤嚥 患者さんの嚥下機能への理解不足、介助スピードの早さ、食形態の不適合など
ベッドからの転倒・転落 柵の設置不備、離床センサーの未使用、患者さんの状態把握不足や見守り体制の不十分さなど
清拭・移乗時の体位変換ミス 介助手順の確認不足、人手不足、動作の焦りや連携ミスなど
排泄介助中の対応遅延や失敗 スタッフ間の情報共有不足、ナースコール対応の遅れ、患者さんの状態の見極め不足など
ナースコールや指示の聞き取り漏れ 周囲の騒音、確認不足、記録や伝達の不徹底、注意力の低下など

ヒヤリ・ハット事例のうち「療養上の世話」は5,972件と全体の21.9%を占めます。患者さんとの接触を伴う業務であるため、転倒や誤嚥などのリスクが常にあります。とくに、高齢の患者さんの場合、些細なミスが重大な事故につながりかねません。

これらを未然に防ぐには、事例の定期的な情報共有や継続的な研修を通じて、チーム全体でリスクへの感度を高め、より一層慎重に対応する姿勢が求められます。

【対策】
・介助動作ごとの手順書整備
・ベッド柵・センサー類の活用
・スタッフ間の情報共有体制の強化

ドレーン・チューブの医療リスク

医療リスク 要因
誤接続 チューブや器具の形状・接続部の類似、識別表示の不備、確認不足によるミスなど
固定ミス 固定用テープや器具の不適切な使用、確認の甘さ、技術の習熟度不足など
閉塞・逆流の見落とし 流量や圧の変化への注意不足、モニタリング体制の不備、点検漏れなど
管の取り違え 複数の管が並行して使用される場面での管理不徹底、識別表示の不備など
感染リスクの増大 手指衛生の不徹底、使い回しや消毒不足、清潔操作の不遵守など

ヒヤリ・ハット事例の中で「ドレーン・チューブ類」関連は3,755件あり、全体の13.8%に上ります。ドレーン・チューブ類は、患者さんへの処置や生命維持に不可欠な一方、接続や管理の不備は、誤薬や感染、容態の急変など重大事故を招く恐れがあります。

事故防止には、器具の種類や接続経路の正確な確認に加え、記録作成やチーム間での情報共有を徹底し、安全確認を行うことが必要です。

・管理手順書の整備とラベルの明示、固定
・接続状況の定期確認のルール化
・チーム間での申し送りとダブルチェック体制の強化
・シンプルなオペレーションの導入

検査・医療機器の医療リスク

医療リスク 要因
検査データの取り違え ラベル貼付ミス、患者確認の不徹底、検体管理の混乱など
検査結果の見落とし 結果確認の遅れ、報告漏れ、電子カルテ内での情報整理不足など
検査機器の操作ミス 取扱説明の不理解、経験不足、確認手順の省略など
医療機器の故障・不具合 点検や保守の不備、老朽化、使用環境の問題など
設定エラー 機器設定の入力ミス、確認不足、複数の機器使用時の混同など

ヒヤリ・ハット事例において、「検査」は2,335件(8.6%)、「医療機器等」は1,085件(4.0%)と少なくありません。医療機器の操作や患者確認のミス、検査結果の共有漏れなどは、誤診や治療の遅れといった重大な問題を引き起こす恐れがあります。

これらを防止するには、日常業務での確認プロセスを標準化し、ヒューマンエラーを最小限に抑える仕組みづくりが不可欠です。

【対策】
・検査前後のダブルチェック体制の徹底
・医療機器の定期点検と操作研修の実施
・検査結果の確認・記録ルールの明文化
・シンプルなオペレーションの導入

治療・処置の医療リスク

医療リスク 要因
手順の実施漏れ マニュアルの未確認、業務の多忙化、チェックリストの運用不備など
治療内容の取り違え 患者確認の不足、記録の不備、口頭指示の曖昧さなど
医療スタッフ間の連携不備 情報共有不足、引き継ぎ時のコミュニケーションエラー、役割分担の不明確さなど
緊急時の判断の遅れ 対応マニュアルの未整備、経験不足、役割分担の混乱など
器具や材料の準備ミス 確認作業の省略、在庫管理の不徹底、事前準備の手順不備など

「治療・処置」のヒヤリ・ハット事例は1,303件(4.8%)発生しています。手順の漏れや判断ミス、とくに医師・看護師間の連携不足は、誤処置などの重大な事故を招く恐れがあるため注意が必要です。

リスク軽減のためには、指示や記録の正確な確認を習慣化し、適切な業務分担と情報共有を徹底することが不可欠でしょう。

【対策】
・マニュアルの整備と定期確認
・指示内容の復唱、ダブルチェックの徹底
・チーム内での定期的なカンファレンスや情報共有の強化
・シンプルなオペレーションの導入

医療事故を防ぐために経営者ができる5つの実践法

経営者として、医療事故を防ぐためにできることがあります。ここでは、5つの実践法をご紹介します。

マニュアルの作成

マニュアルの作成は、医療従事者の行動を標準化し、院内全体で統一した対応を図るために欠かせない取り組みです。まずは日常業務や緊急対応などについて、各々のやるべきことが明確になるように内容を整理・整備しましょう。

また、作成したマニュアルは、現場の声を反映しながら定期的に見直しを行う必要もあります。明瞭かつ実践可能なマニュアルを維持することで、医療安全と業務効率の向上につながるでしょう。

【医療機関が適切な医療安全対策を実施していると加算を算定できます】
「医療安全対策加算」は、適切な医療安全対策を実施している医療機関を評価する項目です。算定要件には、専任の医療安全管理者の配置や定期的な院内巡回、業務改善計画書の作成、そして週1回のカンファレンス開催などが必須です。組織的な取り組みを推進するためのもので、病院全体でより確実かつ質の高い安全管理体制を継続的に構築することが求められています。

職員教育・研修の定期実施

職員教育・研修の定期実施は、医療事故を未然に防ぐための重要な取り組みのひとつです。ヒューマンエラーの多くは、知識不足や手順の理解不足に起因しており、職員の安全意識や判断力を高めることでリスクを大きく低減できます。

新人教育に加え、定期的なスキル確認やヒヤリ・ハット事例の共有を通じて、全職員が常に安全対策を意識できる環境を整えることが大切です。とくに医療現場では多職種が関わるため、チーム全体での理解と連携力の向上を意識していきましょう。

チェック体制の見直し・強化

チェック体制の見直しと強化は、医療現場におけるリスクの早期発見と的確な対応に直結する重要な施策です。薬剤投与前の確認や患者さんの取り違え防止など、業務ごとにチェックリストを導入することで、ヒューマンエラーの発生を抑える効果が期待できます。加えて、複数人によるダブルチェックや電子カルテの活用による情報共有の徹底も有効です。

ただし、確認作業が増えることで業務負荷が高まり、かえってミスを誘発する可能性もあります。外部コンサルなどと連携して、人が行うオペレーションをシンプルにすることも有効です。

労働環境の改善

医療事故を防ぐためには、医療従事者が心身ともに健康な状態で業務にあたれる労働環境の整備が不可欠です。長時間の時間外労働や残業の常態化は集中力や判断力の低下を招き、ヒューマンエラーの要因となります。

安全な医療提供の基盤づくりのためには、職員が安心して働ける環境整備が必要です。適切な勤務シフトの管理や休憩時間の確保、業務負担の分散などを検討しましょう。

外部専門家の活用

自院では見落としがちなリスクや課題を客観的に把握するためには、外部専門家の介入も必要です。医療安全コンサルタントやリスクマネジメントに精通した専門人材による現場診断、マニュアル整備、職員研修などの支援を受けることで、医療事故の未然防止につながります。

また、外部の知見を取り入れることで、院内に新たな気づきや改善への意識が生まれます。継続的な安全文化の醸成にも大きく貢献できるでしょう。

医療リスクマネジメント実践の5ステップ

医療リスクマネジメントを実践する際は、5ステップを意識してみてください。事前に確認しておくことで、スムーズに進められます。

1.リスクを特定する

リスクマネジメントの第一歩として、まずはどんなリスクが起こりうるか特定・把握を行いましょう。ヒヤリ・ハットや過去の事故報告、スタッフからの意見収集は、貴重な情報源です。また、現場全体での情報共有や、リスク項目の定期的な見直しも欠かせません。

2.リスクを分析・評価する

リスクの特定が完了したら、分析・評価を進めます。リスクの内容ごとに、発生頻度や事業への影響度という2つの観点から分析と評価を行いましょう。

特定したリスクの分析・評価を丁寧に行うことで、対処すべき課題の優先順位が明確になり、的確な対策の立案ができます。

3.リスク対策を立案する

リスクの分析・評価が完了したら、次に行うべきは具体的な対策の立案です。リスクの発生を防ぐ予防策と、発生時の影響を最小限に抑える対応策の両面から検討しましょう。たとえば、標準手順の整備やスタッフ教育の強化、設備の見直しなどが挙げられます。

対策の内容は現場の実情に即し、実行可能であることが前提です。また、関係者全員が理解し、確実に実践できる内容であることが求められます。

4.リスク対策を実施する

立案したリスク対策は、現場で計画通りに、確実に実施することが重要です。医療現場では業務の多忙さやスタッフ間の認識の違いにより、対策が形骸化する恐れがあります。そのため、役割分担や進捗管理を明確にすることが重要です。

また、対策内容をマニュアル化し、全職員に周知することで現場への定着を図りましょう。必要に応じて研修を行い、理解と実践力を高める取り組みも有効です。

5.全体を見直し、継続的に改善する

対策を実施した後は、その効果を客観的に見直すことが不可欠です。見直しには、ヒヤリ・ハットの発生件数の推移、スタッフの対応状況、患者満足度などを指標として活用します。振り返ることで対策が有効だったか、あるいは改善が必要かどうかを把握できるでしょう。

また、現場の声も積極的に取り入れながら多角的に効果を検証します。

リスクマネジメントは一度実施して終わりではなく、定期的な見直しと改善を継続することが不可欠です。医療現場の状況や人員体制、使用機器などは日々変化するため、過去に有効だった対策が現在も通用するとは限りません。

全体の結果を分析し改善点を洗い出すことで、より安全で実効性のある体制を構築できます。また、組織全体での振り返りや情報共有を習慣化することで、リスク感度の高い現場づくりを実現できるでしょう。

【事例紹介】リスクマネジメントの実践

現場で起こりうる転落や誤薬、感染などの事故に対し、どのように備えればよいでしょうか。では、具体的な事例を通してリスクマネジメントの実践方法を紹介します。

事例1. 夜間帯に患者さんがベッドから転落してしまった

【リスク特定】
・睡眠薬を内服していた
・ベッド柵が2点柵になっていた など
【改善策立案】
・ベッド柵を2点から4点にする
・起き上がるとナースコールが作動するものを使用する
・日中の活動量をあげ生活リズムを整える
・夜間の見回りを強化する
【効果検証】
・転落件数の推移をモニタリングし、改善度を評価

夜間帯に睡眠薬内服中の患者さんがベッドから転落した事例です。ベッド柵が2点柵になっていたことなどが原因と特定されました。改善策として、4点柵への変更や離床センサーの活用、日中の活動量増加による生活リズムの調整、夜間見回りの強化を実施しました。対策後は転落件数の推移をモニタリングし、改善効果を検証することが必要です。

事例2. 誤って該当の患者さんでない方に薬を服用させてしまった

【リスク特定】
・薬剤名が類似していた
・投与スケジュールが複雑だった など
【改善策立案】
・薬剤準備・投与時のダブルチェックを徹底する
・電子カルテによる自動照合システムを導入する
【効果検証】
・誤薬発生率の推移を定期的にモニタリングし、改善度を評価

誤って該当の患者さん以外の方に薬を服用させてしまった事例です。薬剤名の類似や複雑な投与スケジュールが原因と特定されました。改善策として、投与前のダブルチェックの徹底や、電子カルテによる自動照合システムを導入します。対策後は誤薬発生率の推移を定期的に確認し、効果を検証することが重要でしょう。

事例3. 院内感染がおこってしまった

【リスク特定】
・手指衛生が徹底されていなかった
・器具の滅菌プロセスに不備があった など
【改善策立案】
・定期的な衛生研修を開催する
・処置ごとの衛生チェックリストを導入する
・感染対策委員会を設置し監視体制を強化する
【効果検証】
・院内感染発生率の推移をモニタリングし、改善度を数値化して評価

院内感染が発生してしまった事例です。手指衛生の不徹底や器具の滅菌プロセスの不備などが原因と特定されました。改善策として、定期的な衛生研修の開催や処置時の衛生チェックリスト導入、感染対策委員会の設置を行います。対策後は感染症発生率の推移を継続的にモニタリングし、数値に基づいた改善度の評価を行っていきます。

もし、医療事故が起こってしまったら経営者が行うべきこと

・迅速かつ適切に対応を進める
・患者さんの安全を確保する
・患者さんやご家族に対してオープンな説明・サポートを行う
・原因の特定・分析と改善策の実施を徹底する
・法的・制度的対応を行う

医療事故が発生した際、経営者には終始迅速かつ誠実な対応が求められます。まず最優先すべきは、患者さんの救命と安全確保です。次いで、患者さんとご家族へ事実経過を包み隠さず説明し、真摯に向き合うことが信頼維持の鍵となります。事後は速やかに組織的な原因分析を行い、再発防止策を立案・実施してください。

これら一連のプロセスを、責任を持って主導することが、病院の質と信頼を守ることにつながるでしょう。

なお、医療事故が発生した場合には、法的・制度的な対応も求められます。具体的な内容は以下のとおりです。

【法的・制度的対応としてやるべきこと】
【医療事故調査制度への報告】
「予期しない死亡・死産」が対象。医療事故調査・支援センターへ報告し、第三者分析を受ける。
【院内事故調査の実施】
委員会を設置し、臨床経過・診療記録・解剖所見を含めて調査を行う。
報告書を作成し遺族へ説明する。
【行政・保険者への届出】
必要に応じて厚生労働省や地方厚生局へ報告する。
医療安全管理体制の承認要件にも関わる。

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著者プロフィール

著者:ソラストオンライン
医療事務コラム執筆担当
医師や医事課のみなさまをはじめとする医療従事者の皆様に、お役立ち情報を発信しています。
監修者:櫻井 寛司
医療法人の理事・理事長補佐として経営管理、財務、人事・労務、医師採用まで幅広く統括。 介護保険制度の開始当初から訪問介護・看護・リハ、デイケア、介護医療院など多様な医療・介護サービスの運営に携わる。 地域包括支援センター管理者や有料老人ホームの経営顧問も務め、地域医療・介護の体制づくりに貢献。 日本医療機能評価機構のサーベイヤーとして医療の質向上に取り組むほか、三次救急での臨床経験とMBAを背景に、実務と学術の両面から医療経営や介護制度に関する専門的な提言を行う。 2025年有限会社ラピモルト設立 代表に就任 医療福祉経営支援・研修支援会社 顧問先5社 2025年財団法人 IGP協会 理事

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