【開業医必見】患者さんが来ない理由と対策・人気クリニックの特徴を解説
せっかくクリニックを開業したものの、思うように患者さんが集まらずお悩みではないでしょうか。集患には、いくつかのポイントがあります。今回は患者さんを集めたい開業医が取るべき対策と、患者さんが集まる人気クリニックの特徴についてご紹介します。
開業医必見!クリニックに患者さんが来ない原因9選
・クリニックでの待ち時間が長い
・患者さんとのコミュニケーションが適切に取れていない
・再診予約を取っていない
・医療技術や設備がアップデートされていない
・スタッフの対応が悪い
・競合クリニックとの差別化ができていない
・ホームページやSNSでの情報発信や宣伝などが少なく認知度が低い
・マイナスな口コミや評判の影響を受けている
思うように患者さんが集まらないのには、何か理由があるはずです。ここでは、その代表的な例を9つ紹介します。
立地が悪く通いにくい
集客はクリニックの立地に大きく左右され、立地が悪い場合、患者さんが通院しにくくなります。周囲に競合が多い場合には、よりアクセスの良さが重要になり、公共交通機関から遠い場所や駐車場が不足していると、患者さんは他のクリニックを選びやすいです。
また、橋のない小川や横断歩道のない大きな道路が近くにあるなどの場合も、患者さんにとって通いにくさを感じる要因の一つです。そのため、立地選びの際は患者さんの利便性を考慮し、通いやすい場所を選定することが大切です。
クリニックでの待ち時間が長い
クリニックでの待ち時間が長いと、患者さんの満足度が低下し、再来院の意欲が削がれる傾向にあります。体調不良時の待ち時間は想像以上に辛いもの。予約時間にクリニックに行っても待たされるなどの評価に影響する口コミが出る可能性もあるでしょう。
対策としては、予約システムの工夫や診療プロセスの見直しを行うことで、待ち時間の短縮が可能です。
患者さんとのコミュニケーションが適切に取れていない
患者さんとのコミュニケーションがうまく取れないと信頼関係が築きにくく、特に診療時間が極端に短い場合、「話もできない」と満足度低下につながる可能性があります。リピートにつなげるには診療内容や治療方針を丁寧に説明し、患者さんの不安を解消するのが重要です。患者さんの声に耳を傾け、親身になって対応する姿勢が信頼を得る鍵となるでしょう。
再診予約を取っていない
再診予約を取らないことは、患者さんの再来院の機会を失ってしまうこともあります。最近では、診療後に医師が自ら「次はいつ頃ですね」と次回予約を確認するクリニックも増えています。
このように次回予約を促せば継続的な来院につなげ、来院頻度を増やすことが可能です。再診で患者さんの回復を確認するのはもちろん、定期健診の予約を入れるなどすれば健康管理をサポートできるだけでなく、クリニックの集患につなげられるでしょう。
医療技術や設備がアップデートされていない
医療が日々進歩する中、技術や設備が古いと、患者さんは「最新の治療を受けられないのでは」と感じてしまう側面もあります。医療技術の向上は、患者さんの信頼を得るための重要な要素です。常に最新の情報を取り入れて設備を更新することで、患者さんに最適な治療を提供できる場合もあります。
しかし、医療従事者ではない人にとって、医師が最新の技術を勉強しているかどうかの判断は難しいでしょう。医師が実際に最新の技術を勉強するだけでなく、そのことが患者さんに伝わりやすいように、「今日の診療」や学術書の最新版を医師机に置いておくなどの工夫をする医療機関もあります。
また、特に美容関連の科ではトレンドに合わせることも必要でしょう。
スタッフの対応が悪い
医師のスキル・対応は良くても、看護師や受付などスタッフの対応が悪いと患者さんは不快感を覚え、他院に移ってしまうことがあります。クリニックの印象を良くするためにはスタッフ教育を徹底し、親切で丁寧な対応を心掛けるようにしましょう。
患者さんのニーズに応じた柔軟な対応ができるかどうかが、クリニックの印象を大きく左右します。
競合クリニックとの差別化ができていない
近辺に診療科が同じ人気クリニックがあれば、自院が患者さんから選ばれにくくなる場合もあります。競合クリニックを分析し、競合にはない自院の強みを示すことで、患者さんにとってのメリットを明確にしなければ集患は難しいでしょう。差別化のためには、独自のサービス・専門分野を強調し、自院の特徴を明確に打ち出すことが求められます。
ホームページやSNSでの情報発信や宣伝などが少なく認知度が低い
情報発信が不足していると、クリニックの存在が知られず、患者さんの来院が増加しにくくなります。看板やポスティングだけでなく、ホームページの整備などインターネットやSNSを活用し、クリニックの情報を積極的に発信することも重要です。患者さんの興味に合わせた効果的な宣伝活動により、認知度を向上させられます。
マイナスな口コミや評判の影響を受けている
マイナスな口コミや評判は、患者さんの来院を妨げる要因となる可能性が大きいです。
口コミを記載した患者さんの他にも、同じ感想・意見を持つ患者さんがいる可能性があります。意見には適切に対応して、サービスの向上に努めるだけでなく、改善の過程や結果を公開することも信頼回復に役立ちます。口コミや評判はないがしろにせず、迅速に対応し、改善策を講じましょう。
患者さんが来ないクリニックの開業医がするべき8つの集患対策
・予約システムの導入も検討し再診予約を促す
・患者さんが過ごしやすい院内環境にする
・スタッフの対応を教育・改善する
・クリニックの特徴が伝わるホームページを作成する
・SEO・MEOなどのネット検索対策をする
・SNSを活用して情報発信をする
・口コミを参考にして患者さんの意見を反映する
では、どのように対策を取ったらよいのでしょうか。今から取り組める集患対策について紹介します。可能なものから取り入れてみましょう。
患者さんとコミュニケーションを積極的に取る
患者さんが安心して治療を受けられるように、病状や治療方針について患者さんに合わせた言葉・表現でわかりやすく説明するなど、丁寧な説明や質問への対応を心掛けてください。
また、患者さんの声に耳を傾けることで、ニーズを把握しやすくなるメリットもあります。コミュニケーションの取り方や説明の仕方を変えるだけでも患者さんの満足度が向上し、リピーターの増加につながる可能性があります。
予約システムの導入も検討し再診予約を促す
初診時に次回の予約を提案することで再診率は向上し、患者さんは計画的に通院しやすくなるメリットもあります。
また、診療予約システムを整備し、患者さんが簡単に予約を取れるようにすることも重要です。定期的なフォローアップを行えば、患者さんの健康管理をサポートできるだけでなく、長期的な関係を築くことにも役立ちます。
患者さんが過ごしやすい院内環境にする
待合室の快適さや清潔感を保つのはもちろん、リラックスできる空間作りを心掛けると患者さんの満足度向上に寄与するでしょう。
たとえば、雑誌や絵本の設置、適度に音楽の流れる空間を提供することで、患者さんは待ち時間をストレスなく過ごせるようになります。なお、最近では感染症対策の観点から大きな画面のモニターを設置している医療機関もあります。小児科クリニックであれば、小児向けの番組を流すなど、患者さんの層に合わせてモニターで流す番組を工夫するのもおすすめです。
クリニックの印象が良くなり、口コミによる新規患者さんの獲得にもつながることでしょう。
スタッフの対応を教育・改善する
患者さんがクリニックに訪れた際、最初に接するのは受付スタッフです。そのため、受付スタッフの対応次第でクリニックの第一印象が決まってしまうこともあります。また、看護師などのスタッフの話し方でもクリニックへ与える印象は大きいです。
対応の仕方により、満足度の向上・リピートにつながる一方で、クレームやトラブルの原因にもなります。定期的な研修を行い、接遇マナーやコミュニケーションスキルを向上させ、クリニックのイメージアップを図りましょう。
クリニックの特徴が伝わるホームページを作成する
クリニックの特徴をしっかりと伝えるホームページを作成するのは、集患において重要な役割を果たします。診療内容や設備、医師のプロフィールなどを詳しく掲載し、患者さんが知りたい情報をわかりやすく伝えられるように意識した作りにしましょう。患者さんの声や症例紹介を掲載すするのも、信頼感を高める方法のひとつです。
SEO・MEOなどのネット検索対策をする
SEO(検索エンジン最適化)とMEO(地図エンジン最適化)は、今やオンラインでの集患において欠かせない施策です。SEO対策は、クリニックのホームページが検索エンジンで上位表示されるように、適切なキーワードを選定すること。一方、MEO対策は、Googleマップなどの地図検索でクリニックが上位表示されるように設定を行うことです。
コンテンツの最適化により、地域の患者さんに対してクリニックの存在をアピールしやすくなる効果が見込めます。
SNSを活用して情報発信をする
SNSによる情報発信は、クリニックの認知度を高める効果的な方法です。FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などを活用し、クリニックの日常や医療情報を発信すると患者さんとの距離を縮め、親しみやすさを感じてもらえる可能性があります。
また、キャンペーンやイベント情報をタイムリーに発信することで、来院を促すことも可能です。
口コミを参考にして患者さんの意見を反映する
インターネット上の口コミは、実際に通院した患者さんからのリアルな意見です。参考にし、クリニック運営に反映させることは、サービス質向上のための重要なステップです。
良い評価はもちろん、改善が必要と指摘された点こそ見逃さず、適切に対応しましょう。明確な指摘をいただける機会をチャンスと捉え、患者さんのニーズを的確に把握した上で、必要な対策を講じてください。
開業前に押さえておきたい!患者さんが集まる人気クリニックの特徴
・患者さんが過ごしやすい院内環境が整っている
・患者さんの利便性を高める工夫を行っている
・適切な診断を行える環境が整っている
・スタッフのコミュニケーション能力や対応力が高い
・インターネットやSNSをうまく活用している
これから開業を考えている場合、どんな点をおさえておけばよいのでしょうか。人気のクリニックによくみられる特徴を以下にあげてみました。
患者さんが通いやすい立地にクリニックがある
立地選びでは、交通の便がよい場所や駐車場が充実しているなど、アクセスの良さが重要です。地形的な障がいがなく、周囲に競合が少ないエリアを選ぶことで、より多くの患者さんを取り込みやすくなる利点があります。
また、地域の人口を分析して住民のニーズを把握することも大切です。良い条件の立地選ぶことで、ターゲットとなる層にアプローチしやすくなり、集患効果を高められるでしょう。
患者さんが過ごしやすい院内環境が整っている
人気クリニックでは、院内環境が整えられています。清潔感のある空間はもちろん、プライバシーへの配慮や待合室の快適さも重要です。待ち時間を快適に過ごせるように、自院や自院の患者さんに合わせた最新版の雑誌の設置や、無料Wi-Fiの提供も検討するとよいでしょう。
さらに、院内の案内表示を分かりやすくすれば、初めて来院する患者さんの不安を軽減する効果がねらえます。
患者さんの利便性を高める工夫を行っている
キャッシュレス決済やWeb予約システム、Web問診などを導入して、患者さんの利便性を高める工夫を行うことも検討してみましょう。自院の患者層に合わせてニーズを汲み取り、各種サービスを取り入れているクリニックは、利用しやすさで人気を集めている傾向にあります。このように便利なサービスを取り入れることで、業務の効率化が図れるメリットもあります。
適切な診断を行える環境が整っている
正確な診断を行うためには、最新の医療機器と技術が必要です。とくに、診断の精度を高めるためのカルト(診断用の機器)の導入は重要です。患者さんに安心感を与えるだけでなく、費用対効果の面からも、適宜設備のアップデートを行いましょう。
また、医師自身のスキルアップも欠かせません。最新の医療情報が学べる研修や勉強会に参加し、患者さんから信頼されるクリニックを目指しましょう。
スタッフのコミュニケーション能力や対応力が高い
スタッフのコミュニケーション能力が高いのも人気クリニックの特徴です。人気を高めて維持し続けるには教育が欠かせません。接遇研修やコミュニケーションスキルの向上を図ることで、患者さんの満足度を高められます。
また、スタッフ間の連携も重要です。情報共有を徹底し、患者さんへの対応をスムーズに行うことで、クリニック全体への信頼度がアップします。
インターネットやSNSをうまく活用している
ホームページやSNSをうまく活用しているクリニックは、クリニックの特徴や最新情報を発信することで患者さんの興味を引き、人気を集める傾向に。とくに、SEO対策を施したホームページは、検索結果での上位表示を狙うために重要なポイントです。
また、SNSの活用により患者さんとのコミュニケーションを強化すればクリニックに親近感を持たせられます。
集患に成功!その後もリピーターが続出するクリニックにする秘訣
・医療事務受託で受付・会計業務の品質を向上させる
・医療系人材派遣・教育でスタッフ対応を強化する
・経営支援と医療DXで運営効率を改善、安定した診療を提供する
仮にうまく集患できたとしても、リピーターとしてクリニックに通ってもらえなければ継続的な利益にはつながりません。自院の取り組みだけで対応できない部分は、支援会社を利用し補うのもおすすめです。
ソラストは、スタッフの教育からDXの導入など、医療機関のニーズに応じてさまざまな経営支援サービスを行っています。お悩みに合わせてご利用ください。
患者さんが来ない開業医に関するよくある質問
患者さんをもっと増やしたいとお考えの方からよく寄せられる質問に以下で回答しています。ぜひ参考にしてみてください。
患者さんが来れば開業医は儲かる?
患者さんが増えれば儲かるでしょう。ただし、開業医が業務を行える時間や患者さんの数には限りがあるため、患者さんを増やすには限度があります。収益を向上させるためには、患者さんの数を増やすことに加えて、適切な診療報酬請求による単価の向上や、経費の削減も視野に入れるとよいでしょう。
開業医は何科が儲かる?
開業医では、産婦人科や眼科、整形外科の年収が高い傾向にあるため、比較的儲かりやすい診療科といえます。また、近年注目されている在宅医療を手掛ける訪問診療クリニックでは、診療報酬の単価が高いため、儲かりやすいといわれています。
開業医が運営するクリニックはコロナの影響でどう変わった?
コロナ禍で感染予防のため待合室の混雑を避けることが一般的になり、オンライン診療や診療予約システム、非接触で記入できるWEB問診票を取り入れている開業医が増加しました。安心して診療が受けられる環境を整えることが今後も求められています。
集患には患者さんの満足度を高めるための工夫を!
紹介したように、効果的な集患のためには医師の腕だけにとどまらず、立地や待ち時間、スタッフの対応能力など、患者さんが快適に受診できる心配りが必要です。初めての受診で気に入ってもらえれば、この先もリピートしてもらえる可能性が高まります。よい口コミが広がれば、患者さんから信頼される人気のクリニックとなるでしょう。
ソラストは、集患でお困りのクリニックに対し、これまでの医療機関支援で培ったデータから、多方面でのサポートをご提案可能です。クリニックの顔となるスタッフ教育や診療システムの構築などもお任せください。患者さんの満足度を高めてこれまで以上に集患に力を入れたいとお考えの医療機関の経営者や開業医の方はぜひ一度ご相談ください。