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2022.4.1
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ニュース解説
大人の発達障害_。
個々の特性を捉え、必要な支援を行うことが大事

近年、「大人の発達障害」という言葉が聞かれるようになりました。子どもの場合とどう違っていて、どのようなことが課題になっているのでしょうか。4月2日は国連が定めた「世界自閉症啓発デー」であり、日本では4月2~8日を「発達障害啓発週間」としています。この機会に発達障害について理解を深めることが、当事者のサポートにつながります。

生まれ持った脳の特性であり、個性の1つと捉える

発達障害とは、先天的な脳機能の違いによって日常生活に困難が生じる状態を言います。生まれ持った脳の特性によるものなので、大人になってからなるわけではありません。「障害」と言っても特定の人が抱えるものというより、その人と環境との関係性のなかで変化する状態であり、誰もが持つ個性の1つと捉えるといいでしょう。

代表的な発達障害としては、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)が挙げられます。発達障害者支援法では、トゥレット症候群などのチック障害や、吃音なども支援の対象としています。

人によっては2つ、3つと複数を併せ持っています。図表に主な特性を挙げていますが、あくまでも一例であり、ほかにもさまざまなタイプの特性があります。これらの特性に該当するから発達障害だと断定できるものではありませんが、知的障害を伴わない人が多く、本人や周囲が気づいていない潜在的な発達障害の人はかなりいるとされています。

診断があるなしにかかわらず、生活上のハードルを解消する

発達障害者支援法が制定されたのは2005年4月です。現在の50代以上の人たちが子どもの頃には、発達障害の知見も支援体制も十分ではありませんでした。学校では周囲のサポートなどもあって「少し変わった子」と思われていたぐらいだったのが、社会に出て環境が変わってから対人関係が築けなかったり仕事に集中できなかったりといった悩みを抱えるようになり、「あれ、もしかしたら発達障害かもしれない」と気づくことがあります。

また、高齢者においては認知症か発達障害かの判断が難しいと言われていますが、認知症についてまだわかっていないことが多いうえに、発達障害の診断をつけるには幼少期まで遡らなければならず、家族など情報を持ち合わせている人がすでにいないといった事情があります。

どちらなのか診断をつけることも大事ですが、その人の特性を踏まえ、生活をするうえでハードルになっているものを解消していくことを考えるとよいでしょう。認知症の対応では上手くいかなかった時に、発達障害の人への対応が活用できるかもしれません。

発達障害なのか悩んでいる場合には、まずは都道府県と政令指定都市に設置している専門の相談機関「発達障害者支援センター」に相談すれば、必要なアドバイスを受けることができます。

発達障害の理解を深めることで適切なサポートにつながる

医療機関や介護施設は患者・利用者をはじめ、さまざまな人と触れ合う機会が多い職場です。医療・介護従事者として、発達障害の人とどう向き合っていくことが必要でしょうか。患者や利用者のほか、時に発達障害を持ちながら医療機関等で働く人もいます。発達障害を理解することにより、どのような対応・サポートをしたらよいかの気づきにつながると思います。

発達障害では、自分のことをいかに理解するかが大切になってきます。自分はどういうことが得意であり、苦手であるのかを把握しておくことで、苦手な部分のサポートを受けながら得意分野を生かすことにつながります。

一方で、自分の特性の理解が十分でないことで、本人がどれだけ努力をしても上手くいかず、注意や叱責を多く受けてしまうことで自己肯定感は下がり、孤立につながりやすくなる場合もあります。

だからこそ周囲の人が気づき、発達障害についての正しい知識と理解のもと、適切な配慮や工夫が大切になってきます。医療・介護従事者が発達障害の特性や配慮の仕方を学び、接することで日常生活において自分でできることが増えていくほか、支援を受けながら苦手なことにも取り組みやすくなる、といった本人の成功体験につながっていきます。

サポートの一例として、曖昧でなく具体的かつシンプルにコミュニケーションをとることが挙げられます。「ちょっと待っていて」だけより「10分待って」と伝えると安心して待てることがあります。始まりと終わりを明確に示すことも有効です。さらに口頭だけではなく、イラストや写真、端的な箇条書き等、視覚的な伝え方もわかりやすいです。

取材協力:

厚生労働省障害保健福祉部障害福祉課障害児・発達障害者支援室
発達障害施策調整官 田中尚樹氏
発達障害対策専門官 加藤永歳氏