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医療事務

クリニックの経営を成功させる秘訣とは?よくある課題と対策を徹底解説!

公開日/2024.06.30 更新日/2026.02.12

クリニック経営に失敗する5つの要因と対策を徹底解説。集患や財務管理、スタッフの離職防止など、安定経営の秘訣を紹介します。医療法人化のメリット・デメリットや成功へ導く戦略も網羅。現状の課題を解決し、患者様に選ばれる医院を目指す方は必見です。

クリニック経営の課題・現状

令和6年10月1日時点の一般診療所の数 105,207(104,894※)
開設・再開した数(令和5年10月~令和6年9月) 7,324
廃止・休止した数(令和5年10月~令和6年9月) 7,011

参考:厚生労働省「令和6年医療施設(動態)調査 (表2施設の種類別にみた施設数の動態状況)」

※は令和5年10月1日時点の一般診療所の数

厚生労働省の「令和6年医療施設(動態)調査」によると、一般診療所は1年で313施設増加しましたが、一方で7,011施設が廃止・休止しています。全体数は微増でも、多くのクリニックが撤退を余儀なくされる厳しい競争環境にあるのが現実です。

経営課題は山積みです。光熱費や医療資材など物価高騰に加え、長時間労働やストレスによるスタッフの離職率の高さや、地方を中心とした慢性的な人材不足が現場を苦しめています。さらに、マイナ保険証やキャッシュレス決済といったDX対応も急務ですが、新たな機器導入に伴うコスト増が資金繰りを悪化させるケースも少なくありません。

医療の質を低下させる悪循環を生み出すこれらの負担は、何としても避けるべきです。今後はIT活用による業務効率化や人材確保など、より戦略的な「経営視点」が求められます。現状を打破し、患者満足度を高める好循環を生み出すことこそが、地域医療を支え続ける要となるでしょう。

【クリニックの主な経営課題と現状】

・後継者不足
・院長の高齢化
・人材不足 など

クリニック経営に失敗する要因5選とその対策

失敗する要因 対策例(詳細は各本文を参照)
集患・リピート率の低さ 認知度や利便性の向上、丁寧な対応など
財務管理が不十分 在庫管理の徹底、一部業務の委託など
業務効率の悪さ 業務プロセスの見直し、医療DX推進など
離職率の高さ 業務の均等化、キャリアアップ制度の設立など
経営経験の不足 研修会やセミナーへの参加、外部への相談など

クリニックが経営に失敗をしてしまう主な要因を5つ解説します。失敗事例を踏まえて、自身のクリニック経営の参考にしましょう。

集患・リピート率の低さ

患者さんの数はクリニックの収益に直結します。新規の患者さんを十分に集めることができない、患者さんのリピートが少ない場合は、厳しい経営を強いられるでしょう。

患者さんがリピートするかどうかは、クリニックの医療サービスの品質や待ち時間、医師やスタッフの対応など多くの要因が影響します。集患のための改善策を打たないと、思うように地域の患者さんに認知してもらえず、経営難に陥ってしまうでしょう。

【対策】
・ホームページを開設し、認知度の向上を図る
・電話やメール、オンラインなどさまざまな予約方法を用意し、利便性を高める
・患者さん一人ひとりと、しっかりとしたコミュニケーションを図る
・丁寧な診察を心がけ、品質向上に努める
・SNSなどで有益情報の発信を行う

新規集患には、ホームページやSNSなどで有益な情報を発信し、地域での認知度を高めることが大切です。併せてWeb予約導入で受診の利便性も図りましょう。

またリピート率向上には、丁寧な診察と細やかな対話で信頼関係を深めることが不可欠です。情報発信と医療の質向上を両立させ、安定した経営基盤を築きましょう。

財務管理が不十分

収益や支出の把握が不十分だと適切な経営判断ができず、資金繰りが悪化する恐れがあります。経費が多くかかりすぎていたり、無駄なコストが発生していたりするケースも。クリニックの経営者であれば、常に最新の財務情報を把握しておきましょう。

とくに、医療機器や薬品の購入、スタッフの給与など、定期的に発生する支出の正確な管理が安定した経営につながります。また、税務申告や会計処理のミスが発生すると、追加徴税やペナルティが課せられるリスクもあるでしょう。経済的損失だけでなく社会的信用も失ってしまいます。

経営者だけで対策が十分に取れない場合は、税理士などの専門家の助けを借りることも適切な判断です。

【対策】
・医薬品の在庫を適切に管理し、無駄な仕入れを抑える
・省エネ機器やLED照明を導入し、エネルギーコストの削減を図る
・中心的でない業務の整理を税理士などの専門家と相談しながら進める
・税理士など専門家を活用し、財務の透明性を高める

経営を安定させるには、正確な収支把握と徹底した経費削減が不可欠です。医薬品の適切な在庫管理で無駄な仕入れを防ぎ、ランニングコストを考えた省エネ機器導入で高騰する光熱費を抑制しましょう。

さらに一部の業務を外部委託することは、業務の効率化と質の向上を図ることが可能です。必要に応じて税理士などの専門家も活用し、財務の透明性を高めることが、健全なクリニック運営を維持する確実な手段となります。

業務効率の悪さ

予約管理や患者さん情報の手作業での管理は、時間と労力の浪費につながります。効率の悪い作業を続けていると、患者さんの待ち時間を長引かせてしまい、患者満足度を低下させる要因の1つになるでしょう。

患者さんが大きなストレスを感じてしまうクリニックは、リピートや新患獲得につながりません。スタッフ自身もストレスを感じ、離職につながる可能性もあります。

【対策】
・ITシステムを導入し、手作業で行っていた業務を効率化する
・スタッフ間で共通の業務プロセスの認識を持つ

業務効率化には、電子カルテや予約システムの導入が効果的です。手作業の削減でスタッフの負担を減らし、患者さんの待ち時間を短縮して、患者満足度を高めましょう。

また、単なるツールの導入だけでなく、業務フローの統一や定期的な見直しも重要です。教育を通じて全員で業務効率化に取り組み、質の高い医療提供を目指しましょう。

離職率の高さ

医療スタッフの頻繁な離職が続くと、提供する医療サービスの質が下がり、クリニックの評判にも悪影響をもたらします。とくに、患者さんとの接点が多い看護師や医療事務スタッフの離職は、患者さんとの信頼関係を築く肝となるため、影響は甚大です。

離職率が高くなる要因として、賃金など労働環境の悪さやスタッフ間の人間関係の問題などが挙げられます。そのため、クリニックの経営者として、スタッフの離職率を下げる取り組みが重要です。これらの取り組みにより、新規採用にかかる労力や教育にかかるコストも軽減できます。

【対策】
・業務の役割分担を徹底し、適切な労働時間を保つ
・キャリアアップの制度を設けて、スタッフのモチベーションを上げる

離職を防ぐには、スタッフが長く働きたいと思える環境づくりが不可欠です。業務分担の徹底やシステム活用で負担を減らし、適切な労働時間を確保しましょう。

また、キャリアアップ支援や良好な人間関係の構築もスタッフのモチベーション維持に重要です。働きやすさが定着率を高め、結果として医療サービスの質向上にもつながります。

経営経験の不足

医療知識に特化した医師が経営を行う場合、経営に関する基本的な知識の習得が課題となる場合が多いです。経営知識が不足すると、財務管理やマーケティング、スタッフのマネジメントがおろそかになり、経営判断の遅れや財務状況の悪化など深刻な事態をもたらします。

経営に関する専門的な知識を身につける、もしくは経営コンサルタントに相談するなど、適切な対応が必要です。

【対策】
・経営者自身が、経営に関する知識・スキルを高める意識をする
・さらなる医療知識向上のために、研修会やセミナーなどに参加する

クリニックの経営者には、高度な医療知識に加え、財務やマーケティング、人材管理などの経営スキルが求められます。適切な経営判断のため、経営者自身が常に知識やスキルを高める意識を持ちましょう。

医療研修やセミナー等にも参加して最新の知見を取り入れ、医療の質と経営力の両方を高めていく姿勢が、安定した医院運営を実現します。

クリニック経営を成功に導くには?4つの秘訣

クリニック経営を成功につなげる秘訣について紹介します。クリニックの経営課題を解決し、経営を成功に導くためには、以下のような行動が大切です。

経営理念をつくりスタッフとの良好な関係性の保持に努める

経営理念とは、クリニックが果たすべき使命や目指す姿を明確に言葉した、組織の「羅針盤」です。これをスタッフ全員で共有しましょう。

理念が浸透すれば、全員が共通の価値観で判断・行動できるため、強力な一体感が生まれます。ブレない軸を持ち、全員が同じ方向を向いて進むことが、経営を成功へ導く確かな力となるでしょう。

経営戦略を見直し効率化する

変化の激しい医療業界で成功し続けるには、経営戦略の定期的な見直しが必要です。電子カルテや予約システムなどのIT導入は、業務を円滑にし、スタッフの負担を大幅に軽減します。さらに、システムに合わせて役割分担や手順を定期的に見直すことが重要です。

導入だけでなく教育も徹底し、全員が常に効率化を意識できる環境を整えましょう。経営者が主導し、改善し続ける姿勢が組織を成功へと導きます。

患者さまの信頼を得る

クリニックの成功には、患者様との信頼関係が欠かせません。そのためには経営理念を掲げるだけでなく、日々の診療や対応で体現することが重要です。

スタッフ全員が理念に基づいた誠実な行動を積み重ねることで、地域住民からの支持を獲得できます。その一貫した姿勢が安心感を生み、長く愛される医院への道を開くでしょう。

スタッフが働きやすい環境づくりをする

ITシステム導入による負担軽減や人事制度の拡充を行い、スタッフがより快適に働ける環境を整えましょう。職場環境の改善で離職率が下がれば、熟練スタッフが定着し、患者さまからの信頼獲得につながります。

同時に、無駄な採用コストの削減も実現できるため、経営を成功させる上で欠かせない重要な取り組みといえるでしょう。

クリニックの経営でも医療法人を設立したほうがよいのか

クリニック経営が安定してきた際、医療法人を設立したほうがよいのかお悩みではないでしょうか。ここでは、医療法人とは何かという基礎知識に加え、設立のメリット・デメリットについて紹介します。

医療法人とは

医療法人とは、病院や診療所の開設を目的に医療法に基づき設立される法人のことです。個人医院を組織化することで、節税や円滑な承継、社会的信用の向上など多くのメリットがあり注目されています。一方で、事務負担の増加や社会保険加入などのデメリットも伴うため、両面を理解し経営状況を見極めた慎重な判断が必要です。

医療法人設立のメリット

・節税効果と経費の幅の拡大
・信用力の向上と円滑な事業承継

医療法人化の主なメリットは「節税」と「信用力」です。個人の累進課税に比べ、法人税は税率が一定のため、所得が高いほど税負担を抑えられます。退職金や生命保険料も経費計上が可能になり、節税の幅が広がるでしょう。

また、都道府県知事の認可により社会的信用が高まり、融資面で有利に働きます。さらに、理事長の変更手続きだけでスムーズに事業承継ができる点も、長期的な経営安定に向けた大きな利点といえるでしょう。

医療法人設立のデメリット

・設立や運転資金の確保が必要
・社会保険の加入の義務化など法定福利を含め福利厚生の充実による負担が増加

医療法人化にはデメリットも伴います。設立には許可申請など約100万円の費用や運転資金の確保が必要で、設立後も事業報告書の提出など事務作業が大幅に増えます。また、社会保険の加入が義務化され、クリニック側の保険料負担が発生する点も大きなコスト要因です。

さらに、利益が想定より少ない場合は、かえって税負担が重くなるリスクもあります。経営状況とコスト増を天秤にかけ、慎重な判断を行いましょう。

プロのコンサルティングに頼るのも成功を目指す秘訣

経営やマーケティングは医療とは別分野であり、クリニックの経営者が業務のかたわらで行うのは簡単ではありません。早期に経営課題を解決したい、自分自身では解決策が見つからない場合は、プロによるコンサルティングを受けるのも解決の手段です。

経営視点を持ち、持続可能なクリニック運営を目指そう

クリニック経営の成功には、医療の質に加え、財務や組織運営などの「経営視点」が欠かせません。理念の共有や業務効率化、スタッフが輝く環境づくりで課題を克服しましょう。必要に応じて医療法人化やプロのコンサルティングの活用も視野に入れることで、患者様とスタッフから信頼される、持続可能な医院を目指せます。

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著者プロフィール

著者:ソラストオンライン
医療事務コラム執筆担当
医師や医事課のみなさまをはじめとする医療従事者の皆様に、お役立ち情報を発信しています。
監修者:櫻井 寛司
医療法人の理事・理事長補佐として経営管理、財務、人事・労務、医師採用まで幅広く統括。 介護保険制度の開始当初から訪問介護・看護・リハ、デイケア、介護医療院など多様な医療・介護サービスの運営に携わる。 地域包括支援センター管理者や有料老人ホームの経営顧問も務め、地域医療・介護の体制づくりに貢献。 日本医療機能評価機構のサーベイヤーとして医療の質向上に取り組むほか、三次救急での臨床経験とMBAを背景に、実務と学術の両面から医療経営や介護制度に関する専門的な提言を行う。 2025年有限会社ラピモルト設立 代表に就任 医療福祉経営支援・研修支援会社 顧問先5社 2025年財団法人 IGP協会 理事

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