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医療事務

【事例紹介】「この人が辞めたら終わり」閉院の危機から解放され、診療拡大を実現した夫婦二人三脚のクリニック

公開日/2025.12.03 更新日/2025.12.04

「中延医院」は、東京都内でご夫婦が共に診療を担うクリニックです。
突然の事業継承から始まり、医事業務の知識がないまま、唯一の医療事務スタッフに依存していた同院。

「この人がいなくなったらどうしよう」――そんな不安の中で、診療拡大にも踏み出せず、レセプト業務に追われる日々が続いていました。
そんな状況を大きく変えたのが、ソラストのリモート医事サービスです。

最初は「レセプト点検プラン」で業務を外部化し、その後、より包括的な「レセプト点検 診療報酬請求まるっとプラン」に切り替えたことで、業務効率・ワークライフ・採用力のすべてが向上しました。

そこで今回は、診療や研究、家族との時間を取り戻したお二人に、導入の経緯と実感を伺いました。

課題 ・先代の院長先生が急逝されたことにより、突然クリニックを継承。医事知識ゼロの状態からスタート
・医療事務スタッフ1人に依存し、業務が属人化していた
・月末月初のレセプト業務に週20〜30時間を費やし、診療拡大や経営判断に踏み出せない状況
・診療後の残業や寝不足が続き、プライベートや研究時間も確保できなかった
導入サービス スタート時:レセプト点検プラン
現在:レセプト点検診療報酬請求まるっとプラン
効果 【定量】
・レセプト関連業務:週20〜30時間 → 10時間以下に削減
・査定・返戻:大幅に減少
・新規スタッフ:未経験含め7名を採用、採用の幅が拡大

【定性】
・診療後の残業がなくなり、家族と過ごす時間・研究時間を確保
・精神的な安心感が生まれ、診療拡大にも前向きに取り組めるように
・フィードバックにより、将来的なスタッフ教育の基盤を獲得
・属人化から解放され、経営リスクを軽減

突然の事業継承。属人化したレセプト業務への不安

──クリニックの経営者として、レセプト業務にどのような課題を感じていましたか?

沖野 亜紀子院長先生:義父が急逝し、突然クリニックを引き継ぐことになりましたが、それまで私は予防医学や産業保健の分野に携わっており、臨床現場の経営に関してはまったくの素人。

夫は本業の関係で副院長という立場に回り、私が院長としてクリニックを継ぐことになったんです。まさに診療も経営も初めてという状況からのスタートでした。診療も経営も初めてという状況でのスタートでした。

中でも一番の壁だったのが、レセプト業務です。診療はできても、それをどのように算定につなげるのかがわからず、「自分の行為が正しく請求できているのか」「算定漏れはないのか」と、毎月不安を抱えていました。

また、医療事務の仕組みを学んでこなかったため、将来的に個別指導などが入ったときに「何か指摘されるのでは」という不安もありました。

さらに、当時はスタッフが一人しかおらず、その方がすべての医事業務を担っていました。とても頼りになる方でしたが、同時に「この人がいなくなったらどうしよう」という大きな不安がありました。実際に体調を崩されたときは、業務が止まってしまうのではと冷や汗をかいたこともあります。

そのような状況であっても、副院長はクリニックの規模拡大を提案してくれていたのですが、私自身は経営や事務の不安が常に頭の片隅にあったので踏み出せませんでした。

二人三脚でのクリニック経営を始めながらも、診療拡大に踏み出せなかった理由は?

──レセプト業務があることで、日常の診療や経営に具体的にどのような影響がありましたか?

院長先生:頭のどこかで「今月もまたレセプトがやってくるな」という思いが離れず、どうしてもブレーキをかけてしまっていました。レセプト業務がプレッシャーのようにのしかかっていて、思い切って拡大に踏み出す勇気が持てなかったんです。

本当は副院長の希望通り、もっと患者さんを受け入れたい、診療枠を広げたいという思いもありましたが、レセプト体制が整っていない中では、かえって混乱を招くのではないかという不安がありました。

今振り返ると、早い段階で体制を整えられていれば、経営規模を拡大して診療の幅を広げられたかもしれません。それでも当時は「まずは今ある業務を止めないこと」に必死で、前に進む余裕がなかったのだと思います。

私も副院長も拡大したい想いは持っていましたが、レセプトを副院長へ任せきりにしていることへの申し訳なさや、負担を増やしてしまう不安もあって、アクセルを踏む気持ちとブレーキをかける気持ちが常に入り混じっていました。

沖野 和麿副院長先生:スタッフが不在のときには、私たち夫婦で夜中までレセプト処理を行うこともありました。疲労も重なり、いつか大きなミスが起きてしまうのではと感じることもありました。

属人化した体制の中で、診療と経営の両立を図ることは想像以上に大変でした。どれだけ前向きな気持ちがあっても、安心して診療を続けるための土台がなければ、次の一歩は踏み出せない――それを痛感した時期でした。

「専門家に任せられる」安心感が決め手

──ソラストのサービス導入を決めたポイントは何でしたか?

院長先生:私が一番重視したのは、「レセプトに精通した専門の方がチェックしてくださる」という仕組みです。自分たち夫婦の苦手な部分を信頼できる専門家に委ねられるという安心感が、導入を決める上での大きなポイントでした。

決断の後押しとなったのは、情報収集の中で拝見した他院の導入事例です。YouTubeで田中つや子先生のインタビューを見て「理想に近い」と感じました。

先生はスタッフを置かずにお一人で診療を回されていて、それでもしっかりと経営を安定させていらっしゃった。その姿を見て、「こんな形もあるんだ」と目から鱗が落ちる思いでした。

引き継ぎ当時はスタッフが一人しかおらず、いつ辞められてもおかしくないという不安が常にありました。だからこそ、ソラストさんのような外部の専門家にサポートしてもらえる体制を整えれば「属人化から解放されるのではないか」と思えたことが、最終的な決め手になりました。

また、導入当初はとにかく早く体制を整えたかったため、まずは始めやすいレセプト点検プランからスタートしました。業務に慣れてからは、オンライン請求まで任せられるレセプト点検 診療報酬請求まるっとプランに切り替えたことで、より安心して運用できています。

副院長先生:私も同じく、田中つや子先生の導入事例を拝見していました。全国的に実績のある会社が運営しているという点で、まず信頼感がありましたし、単に業務を代行してもらうだけではなく、フィードバックや査定に関する質問対応を通じて「自分たちも学びながら運用できる仕組み」があることに大きな魅力を感じました。

フィードバックを通して、自分たちでもミスの傾向を把握でき、注意すべきポイントを蓄積していける。将来的には、新しく入るスタッフに教えられるような教育の土台を作れると思いました。

今ではフィードバックを見ながら、「この疑い病名は次の月に中心になる」「精神療法は一定期間を空けないと再算定できない」といった、点数表だけではわからない実務的なルールも理解できるようになっています。

業務を任せながら、自分たちの知識も育てていける――その両輪があることが、導入を決める大きな理由でした。

 “レセプト業務に追われない”働き方が可能に

週20〜30時間 → 10時間以下に削減

──導入後の効果について教えてください。

副院長先生:ソラストさんのサービスを導入してから、レセプトにかかる時間も精神的な負担も大きく軽減されました。

導入前は、月末月初のレセプトに週20〜30時間ほど費やしており、診療後も4〜5時間残って作業する日が続いていました。まるで「診療が終わってからが本番」というような毎日で、心身ともに余裕がなかったと思います。

それが導入後は、体感で10時間以下にまで減りました。週20時間の削減というのは本当に大きく、「やっと自分たちの時間が戻ってきた」と感じています。

加えて、査定や返戻の件数も明らかに減りました。導入前は、精神科の自立支援などで月遅れ算定の漏れが発生し、取り下げや再提出を繰り返すことが多かったのですが、今はそのようなミスがほとんどありません。

ソラストさんが請求状況をスプレッドシートで管理してくださっているおかげで、誰が請求済みで、誰が未処理かが一目でわかり、作業の抜け漏れを防げるようになりました。

フィードバックを通じて「この症状は2か月連続で算定されているので修正した方がいい」など、具体的な改善点を学べるのもありがたいです。結果的に減点される回数も減り、請求精度が格段に向上しました。査定や返戻が減ることは収益の安定にもつながり、時間的な余裕だけでなく、経営面でも大きな安心を得られています。

フィードバックが教育の基盤に

──フィードバック体制はどのように役立っていますか?

副院長先生:ソラストさんのフィードバック体制は、単にレセプトのミスを修正してもらうだけではなく、私自身の学びにもなっています。フィードバックを受けることで、「点数表を見ているだけではわからない現場のルール」を具体的に理解できるようになりました。

たとえば、「精神療法は一定期間を空けないと再算定できない」「採血項目は2か月連続で取ると査定対象になるリスクがある」といった現実的な注意点なども教えていただいています。こうした内容は日常業務の中では気づきにくく、実際にアドバイスを受けることで知識として定着していきました。

また、フィードバックを受けた内容をもとに、間違いやすいポイントを自分の中で整理し、再発防止につなげるようにしています。その結果、査定や返戻の件数も減り、「増減で減らされる回数が明らかに減った」と実感しています。これは経営的にも大きなメリットですね。

今後を見据えると、このフィードバックが院内教育の基盤にもなると考えています。私たちは元々レセプトの知識がほとんどなかったので、将来的にスタッフを採用したときに「どこをどう教えればいいのか」「どこでミスしやすいのか」を理解しておかないといけません。ソラストさんのサポートを受けながら学んできたことで、その“教える基盤”ができつつあります。

診療・研究・家庭に時間を取り戻す

──削減できた時間をどのように活用していますか?

副院長先生:一番大きいのは、家族と過ごす時間が増えたことです。以前は帰宅が遅く、子どもたちには「夜はいないもの」と思われていたほどでしたが、今では夕方に一緒に野球やサッカーをしたり、家族でゆっくり過ごす時間が増えたのは本当にうれしいですね。単なる余暇というよりも、家族と過ごす時間が生活の中心に戻ってきた感覚があります。

それから、以前はなかなか時間を割けなかった論文執筆にも取り組めるようになりました。診療が終わったあとも疲れ果てていた頃とは違い、今は気持ちにも余裕ができ、研究の時間を確保できています。院長からも「本来やっていた論文も存分にやれているようで良かった」と言われています。

院長先生:レセプト業務を専門家に任せられるようになってからは、院長としても、妻としても、母としても、すべての面で安心できるようになりました。以前は経営面の不安から診療拡大を抑えていましたが、経営に対する心配もなくなってきたと感じています。
夫が研究に時間を使えるようになり、家族としての時間も取り戻せたことが本当にうれしいです。

「子どもともっと過ごしてほしい」という思いが叶い、家庭全体が穏やかになりました。振り返ってみると、レセプトを自分たちだけで抱えていた頃とは比べものにならないほど、心にも時間にも余裕ができたと思います。

ソラストの医事サービスを導入して本当に良かったです。

ソラストの医事サービス導入がもたらした「採用戦略のアップデート」

──体制面での変化はありましたか?

副院長先生:ソラストさんの医事サービスを導入したことで、電子カルテ導入後に生じた新たな課題を解消できただけでなく、採用の考え方そのものも大きく変わりました。

実は、事業継承後に手書きのカルテから電子カルテへ移行したのですが、うまく活用できないという課題がありました。電子カルテを導入した当初は、業務自体は効率化されたものの、自分たちの慣れの問題もあり、新たな負担が発生していました。病名や傷病手当の期間など、レセプトに反映させるべき項目が多く、確認作業が煩雑化したんです。

その点、ソラストさんの点検支援を導入してからは、こうした複雑なチェック項目が増えても安心して任せられるようになりました。電子カルテ導入で新たに生まれた不安を補い、業務の精度と安心感を確保できたと感じています。

その後レセプト点検 診療報酬請求まるっとプランに切り替えたのですが、さらに大きかったのは、採用の幅が広がったことです。以前は「レセプトができる人を採りたい」という考え方でしたが、今ではレセプト業務を専門家に任せられるため、「レセプト以外の部分」で貢献できる方を採用できるようになりました。

レセプト業務は専門性が高く、経験者に頼らざるを得ない部分が多かったのですが、導入によって「人柄や意欲を重視した採用」ができるようになり、結果的にチームの雰囲気も良くなりました。

実際に、導入後には全く医療事務未経験の方も採用しています。みなさん非常に意欲的で、運用に慣れてからは「レセプトもやってみたい」と自ら申し出てくれるようになりました。

現在までに新たに7名ほど採用しており、クリニックの体制も大きく強化されています。これまでレセプト経験の有無で採用を制限していた状況から、院の雰囲気や方針に合う人材を採れるようになった点は大きな変化です。

「診療を続けられる」支えとなったソラスト

──印象的だったエピソードを教えてください。

院長先生:最も印象に残っているのは、クリニックを継承して間もない頃に、唯一の医療事務スタッフから突然「辞めたい」と言われた時のことです。その方は前院長(義父)の時代から長く勤めていた信頼できる方でしたが、件数の増加や業務負担の増大もあり、限界を感じていたのだと思います。

そのときは本当に「失望のどん底まで落ちた」と感じました。頼れる人がいなくなり、副院長と2人で運営しながら、「もう無理かもしれない」「続けられないかもしれない」と思うほどでした。今振り返っても、あのままでは本当に廃業していたかもしれません。

そんなときに出会ったのがソラストさんのサービスでした。「この先一体どうしたらいいのか」と情報を探していたときに見つけたのがきっかけです。
ソラストさんにお願いすれば、診療に集中して、算定やレセプトの最終提出は任せられるということを知り、ようやく希望が見えました。

副院長先生:私にとっても、ソラストさんのサポートによって業務が止まらない安心感を得られたことが大きいです。

以前はレセプトを担当するスタッフが1人しかおらず、体調を崩されたり退職されたりしたら、業務が完全に止まってしまう状況でした。実際に体調不良が発生したこともあり、その不安は現実的なものでした。

現在は、もし誰かが急に休んでも、業務が滞ることはありません。以前のように「誰かが辞めたらもう終わり」という恐怖がなくなり、診療や経営に集中できるようになりました。

レセプト業務にかかる負担が軽くなり、業務継続のリスクを心配しなくてよくなったことは、私たちにとって本当に大きな変化です。

“医事パートナー”として、ミニレクチャーの実施や制度改正への柔軟な対応に期待

──今後ソラストに期待することはありますか?

副院長先生:今のサービスにはとても満足しています。レセプトに関しては十分やっていただいていると感じており、とくに不満はありません。毎月しっかりサポートしていただいていて、いつも本当に感謝しています。

そのうえで、今後は教育面でのサポートもお願いできたらと考えています。具体的には、スタッフ向けのミニレクチャーのような機会があるとありがたいです。

私たちもフィードバックをもとに自分たちなりに学んでいますが、プロの方から直接説明してもらえると理解が深まると思います。

とくに、新しく入ったスタッフへの引き継ぎや教育の際に、専門家からの短い講義やレクチャーがあれば、より高いクオリティでスムーズに体制を整えられると感じています。

院長先生:私も現状にはとても満足しています。その上で、今後クリニックを拡大していく中で、制度改正や診療スタイルの変化に柔軟に対応していただけることを期待しています。

もともと「診療に集中したい」「任せられるものは任せたい」という思いがあり、今後は診療を拡大して、いろんなドクターを雇い、診療時間を増やしていきたいと考えています。その際に、新しい体制やレセプトの課題に対しても柔軟に対応していただけると心強いです。

ソラストさんの担当の方からは、今後「個別指導まわりのサポート体制を新しく開発している」というお話も伺いました。困ったことがあればすぐ相談できる体制を整えてくださっているとのことで、非常に頼もしく感じています。

私たちからの感謝の言葉が、サポートしてくださっているリモート医事スタッフの励みになっていると聞き、改めて一緒に診療を支えてくださっている“医事パートナー”としての存在の大きさを実感しています。

担当からのコメント

今回は、東京都内でご夫婦が共に診療を担うクリニックである「中延医院」様に、サービス導入の背景や課題、そして「レセプト点検プラン」「レセプト点検診療報酬請求まるっとプラン」の導入に至った経緯、導入後の現在に至るまでの過程を詳しくインタビューさせていただきました。

ご夫婦でクリニックを継承され、医事知識がない状態から「唯一のスタッフが辞めたらどうしよう」という不安を抱え、診療拡大にブレーキをかけていた状況は、他人事ではないと感じる経営者の方も多いのではないでしょうか。

「この人がいなくなったら業務が止まってしまう」というスタッフ依存の不安は、クリニックの経営リスクそのものです。

そんな時に、ソラストの専門家チームにレセプト業務を任せることで、属人化していた状況から解放され、もしスタッフが急に休んだり退職したりしても「業務が止まってしまう」という不安がなくなり、診療と経営に集中できる土台が確立されました。

中延医院様も、最初は始めやすい「レセプト点検プラン」からスタートされ、その後、オンライン請求まで任せられる「レセプト点検 診療報酬請求まるっとプラン」に切り替えることで、より確実な効果を実感されています。

「iisy」はニーズに合わせて3つのプランをご用意しています。
「レセプト点検診療報酬請求まるっとプラン」と「訪問まるっとプラン」では、ソラストがレセプト業務を代行、「レセプト点検プラン」では、医療機関側が行ったレセプト業務のエラーチェックや、質問ができるサービスも提供しています。

「レセプトに追われる日々をなんとかしたい」 「医事スタッフ依存のリスクから解放されたい」 「診療拡大に踏み出すための安心感がほしい」このようなレセプトに関するお悩みを持つクリニック経営者さま・開業医さまには、ソラストの医療DXパッケージ「iisy」がおすすめです。

インタビューご協力

中延医院ロゴ
中延医院(東京都品川区) 沖野 亜紀子院長先生 沖野 和麿副院長先生

著者プロフィール

著者:ソラストオンライン
医療事務コラム執筆担当
医師や医事課のみなさまをはじめとする医療従事者の皆様に、お役立ち情報を発信しています。

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