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医療事務のレセプト業務はなぜ難しい?属人化する原因と解決策を紹介

公開日/2026.02.25 更新日/2026.02.25
目次

医療事務のレセプト業務ができない原因や解決策を解説。教育体制の不備や知識不足を解消する施策、システム活用のポイントを紹介します。外部サービスで属人化を防ぎ、効率化と正確な請求を両立。現場の負担を減らし、安定経営を実現するためのポイントが満載です。

医療事務のレセプト業務ができない原因

レセプト業務ができないと悩む原因は、一つの要因だけとは限りません。個人のスキルから職場の環境まで、業務を妨げる4つの要因を整理して解説します。

医療事務スタッフの知識・技術が不足しているため

現在働いている医療事務スタッフの知識・技術不足が原因のケースがあります。レセプト作成は非常に専門的な業務であり、医療の知識や法的な制度への深い理解が不可欠です。しかし近年、レセプトコンピュータシステムに依拠し、診療報酬の仕組みを把握する機会が少なくなっています。そのため、形式的な業務に留まっている医療事務スタッフが増えています。

各スタッフが業務内容を十分に理解できていないと、作業の停滞やミスの増加を招く原因となり、正確に請求できなくなってしまいます。

【主な例】
・未経験者や経験の浅いスタッフが多い
・医療事務関連の資格を持つスタッフが少ない など

制度が複雑で診療報酬改定への対応が難しいため

医療保険や診療報酬、公費負担などの制度自体の複雑さも大きな要因です。診療報酬は2年に1度改定されるため、常に新しい対応を求められる厳しさがあります。

とくに「医学的知識」と「算定ルール」を適切に紐付ける仕組みは非常に難解です。教育を行っても難易度が高く、全ての変更をカバーしきれないケースも少なくありません。

【主な例】
・2年に1度の診療報酬改定への対応に追いつけない
・レセプト業務の仕組みが複雑で理解が難しい など

業務の正確性に欠け、審査をスムーズに通過できないため

一定の知識はあるものの、データの入力不備や患者さんの保険者情報の誤りが多く、正確な業務ができていないケースがあります。

また、ダブルチェック体制が不十分で審査をスムーズに通過できないと、レセプトの返戻や査定が発生して業務が滞ってしまいます。正確な請求を行うためには、細かな確認作業の徹底が欠かせません。

【主な例】
・レセプト返戻や査定が多い
・院内のダブルチェック体制の不足 など

現場の教育体制・環境が整備できていないため

明確な教育・研修体制がないと、スタッフ個人の学習能力に依存してしまいます。指導を先輩に任せきりにすると教え方にばらつきが出て、何ができないのか問題点が潜在化してしまうこともあります。

教育を任された先輩も普段から業務をこなすだけで精いっぱいの場合、通常業務の進行や質に影響がでるでしょう。教育だけでなく、困ったときにすぐ相談できるサポート体制も必要です。

【主な例】
・人手不足で一人ひとりに合わせた教育を行う時間がない
・現場のスタッフに指導を任せきりにしている など

医療事務のレセプト業務ができない状態を放置するリスク

レセプト業務がスムーズに進まない状態を放置すると、経営や組織運営にどのような悪影響が出るのでしょうか。次に、レセプト業務ができない状態を放置したときの4つのリスクを紹介します。

安定した収益を確保できなくなる

スタッフの離職や業務効率の低下、ミスの増加が重なると、安定した収益確保が困難です。また、レセプト処理に不備があり、返戻や査定が増えると、本来受け取れるはずの診療報酬が予定通りに受け取れません。

この状態が続くと資金繰りの悪化を招き、医療機関経営そのものを揺るがす大きなリスクへとつながるでしょう。

未経験や経験の浅いスタッフが十分に育たない

医療機関としての教育体制が不十分な場合、未経験者や初心者スタッフの育成が滞ります。ミスや遅延が増えるだけでなく、スタッフ自身の成長機会を奪ってしまうことになりかねません。

また、研修の頻度や内容が不足していると、従業員のスキルアップの妨げとなり、長期的な業務効率にも悪影響をおよぼします。

経験の長い特定のスタッフに業務が偏る

未経験や経験不足のスタッフの育成が進まないと、ベテランスタッフだけに仕事が集中してしまいがちです。特定の人がいないと回らない「属人化」が起こると、その人の負担が増えて疲弊やモチベーションの低下を招いてしまいます。

また、業務の偏りは他のスタッフが成長する機会を奪うことにもつながり、将来的に組織を維持できなくなる原因にもなりかねません。

人間関係の悪化やスタッフの離職につながる

特定のスタッフに業務が集中すると、過度なストレスによって体調に支障をきたすこともあります。スタッフ間での連携不足やトラブルが頻発し、職場内の人間関係が悪化する恐れも否定できません。

最終的には、スタッフの離職や組織全体の士気の低下を招き、健全な運営を継続できなくなる可能性が高まります。

業務効率が低下し返戻・査定の増加につながる

職場の人間関係や働く環境が悪化すると、業務効率が落ちて仕事の遅延やミスが発生しやすくなります。正確な処理ができず、レセプトの返戻や査定が増えてしまうと、収益に直接的なダメージを与えることは避けられません。

こうした事態は、経営を苦しくするだけでなく、現場をさらに疲弊させる悪循環を招いてしまいます。

医療事務の「レセプト業務ができない」問題の解決策7選

「レセプト業務ができない」「業務の質が低い」場合、教育体制の整備やスタッフのモチベーション維持につながる取り組みが必要です。ここでは、この問題を解決する7つの施策を紹介します。

現在の教育体制や各スタッフの現状を把握する

まずは、自院の医療事務スタッフの「レセプト業務ができない」原因を明確に把握することから始めましょう。改善の第一歩は、現場の具体的な課題を洗い出すことです。

現在の教育体制は十分か、未経験者と経験者の比率はどうかといった現状を整理し、客観的に見つめ直す必要があります。原因を正しく把握して初めて、それぞれの医療機関の状況に合わせた的確な解決策を立て、実行に移すことができるのです。

スタッフの知識・習熟度レベルに応じた教育を行う

第一に、医療機関全体で教育環境を整え、スタッフの習熟度に応じた研修を実施しましょう。たとえば、未経験者には基礎知識を重点的に教え、経験豊富なスタッフにはさらなるスキル向上を目指した研修を提供するのが理想的です。一人ひとりの能力に適した指導計画を立てれば、着実に知識が身につきます。

その結果、各スタッフの理解が深まり、日々のレセプト業務をよりスムーズに、かつ正確に遂行できるようになります。

学びながら実務に取り組める体制を整備する

スタッフの成長を促すためにも、学びながら仕事ができる環境を整えるとよいでしょう。たとえば、実際の業務を通じて学ぶOJTを取り入れるのも一つです。仕事の流れを理解しながらスキルを磨けるだけでなく、その場でアドバイスをもらえるため、新しい知識がしっかりと身につきます。

実践と学びを同時に進める体制があれば、スタッフの自信につながり、ミスを減らしながら業務全体の質を高められます。

「業務の質の統一」を最終目標に取り組みを進める

そのために欠かせないのが、明確な業務基準と手順書の整備です。

具体的な手順をまとめたマニュアルを作成し、全員が同じ基準で作業できるよう徹底しましょう。業務の進め方を統一すれば、担当者による質のばらつきがなくなり、医療機関全体で常にミスなく正確なレセプト業務を行える体制が整います。

評価制度を設けて職員の取り組みを評価する

スタッフのモチベーションを維持するためには、努力を正しく評価する仕組みが必要です。具体的な数値目標を立て、達成度に応じて評価や指導を行うことで、やる気を引き出せます。

定期的な評価で成長を「見える化」すれば、スタッフ自身が自分の進歩を実感しやすくなります。目標が明確になればレセプト業務への姿勢も前向きになり、ミスを減らそうとする意識が高まるなど、職場全体によい影響をもたらすでしょう。

資格取得支援制度を設ける

スタッフの自発的な学習意欲を支えるため、資格取得支援制度を導入しましょう。医療事務関連の資格の取得は、スキルの客観的な証明となり、業務の信頼性も高まります。

受験費用の補助や対策講座の提供など、具体的なサポート体制を整えることが大切です。個人のキャリアパスを支援する姿勢は、スタッフのモチベーションを高めるだけでなく、専門性の高い人材育成を通じて組織全体の成長に大きく寄与します。

具体的にどのような資格取得をすすめていくか迷ったら、JSMAなど医療事務向け資格試験団体を参照するのがおすすめです。

教育する側の負担を減らす取り組みを行う

医療事務スタッフへの教育充実は重要ですが、忙しい診療業務の合間に教育の時間を十分に確保できないのが現実です。とくに指導役となる院長やベテランスタッフの負担は大きく、本来の業務に支障が出る恐れもあります。

そのため、教える側の負担を減らす工夫が必要です。一つの解決策として、外部の研修サービスなどを活用する方法があります。プロに教育を任せることで、現場の負担を抑えつつ質の高い育成が可能になります。

ソラストは医療事務の育成と業務効率化を支援しています。Eラーニング「テラススタジオ」はスタッフの自律的な学習を促し、専門知識の習得をサポート。また、クリニック向けの「iisy(イージー)」は、レセプト業務の「ほしいところ」だけをリモート代行でき、現場の負担を減らしつつ正確な請求業務を実現します。

【医療機関経営者必見】レセプト業務の効率化と正確性向上のポイント

教育体制の整備やスタッフのモチベーション維持に加え、「ミスを減らす」ための取り組みも大事です。ここでは、レセプト業務の効率化と正確性を飛躍的に高めるために押さえておくべき重要なポイントを紹介します。

入力ミスを防ぐダブルチェック体制の徹底

レセプトの入力ミスや算定誤りを防ぐには、スタッフ間での二重チェックを組み込んだ体制づくりが非常に有効です。レセコン(レセプトコンピューター)への入力後、別のスタッフが金額や病名の整合性を改めて確認する仕組みを徹底させましょう。

確認作業にはチェックリストを活用し、過剰請求や同日同月の重複算定といった、見落としやすいポイントを確実に押さえることが重要です。

ツールやシステム活用による事務作業の自動化・効率化

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やレセプトチェックソフトの導入により、定型的なデータ入力や算定ルールのチェックの自動化が可能です。電子カルテから情報を抽出しレセプトを自動作成する仕組みは、ヒューマンエラーを防ぎつつ業務を効率化できます。

また、過去の返戻事例を学習しリスクを警告するAI搭載型ソフトも有効です。システム活用で返戻率を抑え、現場の負担軽減と業務品質の向上が期待できるでしょう。

クリニック向けの「iisy(イージー)」は、レセプト業務のほしいところだけをリモートで代行できるサービスです。一部の業務を助けてほしい場合に外部の専門スタッフの手を借りられるのがポイント。

現場の負担を大幅に軽減できるため、スタッフが診療補助や患者対応に集中できる環境作りにも大きく貢献します。

医療事務の教育でお悩みなら!ソラストのテラススタジオ

教育の重要性は理解していても、人手不足などの影響でスタッフの育成に十分な時間を割けない経営者も多いのではないでしょうか。では、自律的な学習を支え、効率的なスキルアップを実現するソラストのeラーニング「テラススタジオ」を紹介します。

【テラススタジオの機能・魅力】
スマホ学習 場所を選ばず、移動中や自宅でも自分のペースで手軽に学習可能です。
動画学習 1本3〜5分の短い動画で、要点を効率よく視覚的に理解できます。
理解度確認テスト 各講座の後にテストがあり、知識が定着しているかをその場で確認できます。
レベルアップ機能 学習の進捗状況が数値化されるため、自身の成長を実感しながら継続できます。
バッジ機能 課題の修了などでバッジを獲得。楽しみながら学ぶ意欲を維持・向上させます。

テラススタジオは、医療事務の基本からレセプト業務、接遇まで幅広く学べるコンテンツを掲載しています。業界未経験のスタッフでも学びやすい内容で、基礎から体系的に習得できるのが大きな魅力です。

3〜5分程度の短い動画学習が中心のため、忙しい業務のスキマ時間を使って効率よく学習が進められます。個人の習熟度を可視化する機能も備わっており、指導側の負担を軽減しながら、スタッフの自律的な成長をサポートします。

【こんなケースにおすすめ!】
・診療が忙しく、ベテランスタッフが新人に直接指導する時間を確保できない
・業界未経験のスタッフに、医療事務の基礎からレセプト実務まで体系的に学ばせたい
・スタッフに、業務の合間などのスキマ時間を活用して、自分のペースで知識を深めさせたい

医療事務の教育に関するQ&A

医療事務スタッフの採用や育成を検討する際、さまざまな疑問をお持ちではないでしょうか。そこで、採用のポイントや効果的な研修の進め方など、教育に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。

Q.医療事務の新規採用をする場合、経験者を優先するべき?

A. 即戦力を重視するなら経験者が有利ですが、教育体制が整っていれば未経験者の採用も有効な選択肢です。

即戦力を期待する場合、知識や実務経験が豊富な経験者の採用が望ましいといえます。しかし、未経験者を採用する場合でも、教育体制を十分に整備し、定期的なフォローアップを行うことで着実な戦力化が可能です。研修制度を整えることは、自院のルールに馴染みやすい人材を育成できるメリットにもつながります。

Q.医療事務スタッフに資格取得を勧める場合、おすすめは?

A. 「メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)」と「医療事務管理士®技能認定試験」の2つがとくにおすすめです。

「メディカルクラーク」は日本最大規模の試験で、基本を幅広く学べる初心者向けの資格です。一方、「医療事務管理士®技能認定試験」は、やや難易度が高いものの、レセプト点検のスキル証明に定評があり、現場で即戦力として重宝されます。資格取得はスタッフの自信につながり、専門知識の向上やミスの削減にも大きく貢献します。

Q.医療事務スタッフへの研修はどんな方法で行うとよい?

A. 現場での実務研修(OJT)と、eラーニングなどの体系的な座学を組み合わせて行うのが最も効果的です。

実務を通じた教育は即戦力化につながりますが、指導内容の偏りを防ぐためにマニュアルの活用が不可欠です。あわせて、多忙な業務の合間に自分のペースで学べるeラーニングを導入すれば、基礎知識を効率よく習得できます。実践と理論の両輪で進めることで、スタッフの理解が深まり、業務の質の安定化が期待できます。

Q.スタッフ個人で学習を進めてもらいたい場合、どんな方法を勧めるべき?

A. 参考書や通信講座による自習も有効ですが、効率的なスキルアップには、ソラストのeラーニング「テラススタジオ」の活用が最適です。

参考書や通信講座などで自習する方法もあるが、おすすめは、ソラストのe-ラーニング「テラススタジオ」です。個人の習熟度に合わせた学習が可能で、進捗も可視化されるためモチベーションを維持しやすいのが特徴。最新の制度改定にも対応しており、常に正しい知識を学べる環境を提供できます。

適切な対策で安定した医療機関経営へ

レセプト業務ができない原因には、スタッフの知識不足や制度の複雑さ、教育体制の不備などが挙げられます。解決には現状把握や習熟度別の教育、マニュアル整備、システム活用といった多面的な対策が不可欠です。eラーニング等の外部サービスも活用し、効率化と正確性を高めることが、現場の負担軽減と安定経営への近道です。

ソラストでは、医療事務スタッフの人材育成におすすめの「テラススタジオ」をはじめ、医療機関経営者さまをサポートする多数のサービスを展開しています。教育の充実や、コストを抑えながらスタッフの定着率を高めたいとお悩みの方はぜひご相談ください。豊富な実績を活かし、貴院の課題解決と安定経営を全力で支援します。

著者プロフィール

著者:ソラストオンライン
医療事務コラム執筆担当
医師や医事課のみなさまをはじめとする医療従事者の皆様に、お役立ち情報を発信しています。

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