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レセプトをオンライン請求する方法は?導入費用やメリット、トラブル対処法を徹底解説

公開日/2026.03.19 更新日/2026.03.19
目次

レセプトオンライン請求が原則義務化されたものの、まだ導入できていない医療機関も多いでしょう。今後も従来の方法で請求を続けてよいのか、オンライン請求に移行すべきかお悩みの方に向けて簡単チェックをご用意しました。さらに、レセプトオンライン請求のメリットや導入手順、費用やトラブル対応についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

【簡単チェック】オンライン請求の導入は必要?不要?

2024年4月1日より、レセプトのオンライン請求は原則義務化されました。ただし、一部の医療機関については例外もあります。まだ導入していない場合は、以下のチャートでオンライン請求の導入が必要であるか、不要であるかをチェックしましょう。

2024年4月以降に新しく開設した医療機関や、主たる医師が70歳以上ではない、近いうちに休止・廃止の予定がない医療機関については、オンライン請求義務化の対象です。導入のための4ステップや運用前にやっておくべきことを理解すれば、スムーズに導入を進められます。

一方、2024年3月末の時点で、診療に従事するすべての常勤の保険医等が70歳以上の場合、オンライン請求の免除対象です。届出を行えば、現在の紙や光ディスクによる請求を継続できます。また、おおむね1年以内の間に休止や廃止を予定している場合は猶予対象となり、届出によって経過措置として紙や光ディスクによる請求の継続が可能です。

ただし、義務化の対象外であっても、紙や光ディスクによる請求は医療事務スタッフにとって負担がかかりやすいもの。オンライン請求にはメリットが多いため、導入を進めることでより業務の効率化を目指せます。

レセプトのオンライン請求とは?

従来の紙や光ディスクによる請求と比べて、オンライン請求は具体的に何が異なるのでしょうか。ここでは、オンライン請求の概要と従来の請求方法の違いを紹介します。

オンライン請求の概要

オンライン請求とは、医療機関等が作成した診療報酬明細書を、電子データで提出する仕組みです。送信時にシステム(受付・事務点検ASP)がデータの不備を自動チェックするため、返戻や再提出の手間を削減できます。

また、オンライン請求をすると、レセプトの情報が電子データとして保管されます。紙や光ディスクのように紛失や破損の心配がなく、検索や再提出もスムーズに行えるのが特徴です。

紙請求では別途作成が必要だった診療報酬請求統括表も、オンライン請求では不要となります。これにより、患者ごとのレセプト件数や点数、合計金額をまとめる手間を省くことが可能です。

受付・事務点検ASPとは?
受付・事務点検ASPとは、保険医療機関・保険薬局が審査支払機関の事務点検プログラムを利用して、患者氏名の記録漏れなど事務的な誤りがあるレセプトを事前に確認でき、速やかな修正を可能とするサービスです。これにより、保険医療機関ではエラーを速やかに訂正し、当月のうちに訂正したレセプトを提出することができるようになります。

オンライン請求と紙・光ディスク請求の違い

項目 オンライン 光ディスク
印刷・発送作業 【毎月5〜7日】
8:00〜21:00
【毎月8〜10日】
8:00〜24:00
※土日祝も受付可
17:30まで
※毎月10日以外は
土日祝の受付不可
17:30まで
※毎月10日以外は
土日祝の受付不可
事前チェック方法 オンラインで自動チェック 手作業 手作業
破損リスク なし あり あり
返戻・増減点連絡 オンライン受取 紙で受取 紙で受取

オンライン請求では、紙の郵送や光ディスクの作成・発送といった物理的な作業が不要になり、配送中の破損や紛失のリスクも回避できます。オンライン送信により即時に受付され、返却情報も迅速に確認できるため、書類整理の手間も大幅に軽減されます。

結果として、情報確認や修正などの事務作業の効率が格段に高まる点が、従来の請求方法との大きな違いです。

オンライン請求が原則義務化された背景と普及状況

・国で医療DXが推進されているため
・業務効率化を図るため

出典:厚生労働省「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ(案)」

厚生労働省は2023年3月にロードマップを提示し、光ディスク等からオンライン請求への完全移行を強く推進しています。これに伴い2024年4月1日以降、請求方法はオンラインが基本となり、紙や光ディスクでのレセプト請求の新規適用は終了しました。同年3月末時点で光ディスク請求を行っていた医療機関等も、9月末までの経過措置期間内に原則としてオンライン請求に移行するものとされています。

こうした義務化の背景には、医療DXの推進に加え、労働人口減少に伴う人手不足が深刻化する中で、システムを活用した業務効率の向上が不可欠となっている事情が大きく影響しています。

オンライン請求の普及状況

出典:厚生労働省「オンライン請求の割合を100%に近づけていくためのロードマップ(案)」

厚生労働省の令和5年度調査では、オンライン請求の実施率は全体の約7割に達し、請求方法の主流となっています。一方で、光ディスクや紙を利用する施設も約3割残っていますが、平成27年度以降は減少が続いています。

対して、オンライン請求は年々増加傾向にあり、デジタル化への移行が着実に進んでいるのが現状です。

オンライン請求の流れ

出典:厚生労働省「オンライン請求開始に向けて 必要な準備作業について」

保険医療機関や薬局では、レセコンで作成したレセプトデータをオンライン請求用パソコンに取り込み、審査支払機関へオンラインで送信します。国保連では、送信されたデータをWebサーバーで受け付け、既存システムと接続して審査・処理を行います。

審査結果や編集済みの増減点連絡書データは、Webサーバーを通じて医療機関等へ返送されます。

オンライン請求のメリット

オンライン請求には具体的にどのような利点があるのでしょうか。導入による主なメリットを紹介します。

メリット1:受付時間が長くなる

オンライン請求は、従来の紙や光ディスクに比べて受付期間が長く、翌月5日から10日まで土日祝日を含めて送信可能です。データは即時に送れるため、媒体の郵送や発送作業の手間が一切かかりません。期間中は時間に縛られず、余裕を持って請求業務を行えるメリットがあります。

メリット2:簡単に修正できる

オンライン請求では、システムの自動チェックにより、記録漏れや誤りを事前に確認できます。提出後にミスが見つかっても、請求月12日までなら修正・再提出が可能です。

紙請求のように翌月に再請求する手間がなく、スムーズに処理できるため、診療報酬の取りこぼしを確実に防止できます。

メリット3:セキュリティを確保できる

オンライン請求は、暗号化された安全なネットワーク回線で送信するため、第三者によるデータ傍受を防げます。電子的な送信は提出先の間違いが起こりにくいので、紙媒体や光ディスクのような紛失や盗難による情報漏洩リスクも大幅に低減できるでしょう。高度なセキュリティ下で安心して請求を行えます。

メリット4:情報を効率的に管理できる

提出した帳票類はオンライン上で簡単に確認でき、デジタルデータとして管理されるため、かさばる紙での保管は一切不要です。必要な情報の検索や再提出もシステム上でスムーズに行えるので、物理的なスペースや管理の手間を削減し、業務効率化を実現します。

オンライン請求のデメリットと対策方法

オンライン請求の導入にあたって、費用や回線整備、スタッフのIT知識について不安をお持ちの方も多いでしょう。これからオンライン請求を導入する場合に、知っておくべきデメリットと具体的な対策方法を紹介します。

デメリット1:システム導入費用とランニングコストがかかる

〈一例〉
項目 金額の目安 備考
オンライン請求用パソコン 100,000円以上 指定の動作環境(OS等)を満たす必要あり
電子媒体読み込み用ドライブ 10,000円前後 ソフトのインストールやバックアップに使用(パソコンに付属している場合は不要)
電子証明書発行料・更新料 4,000円前後 3年ごとに更新・発行手続きが必要
ネットワーク回線接続にかかる初期費用 23,000円前後 回線工事費やルーター設定等の費用
ネットワーク月額利用料 6,000円前後 回線種類により異なる
合計 143,000円以上 既存の環境や選択する接続方式により変動

オンライン請求の導入には、専用パソコンや回線工事、電子証明書の発行等が必要で、合計約14万円以上の初期費用がかかります。さらに、毎月数千円の回線利用料といったランニングコストも発生するため、事前の資金計画が欠かせません。

【対策方法】
・導入支援制度を活用する

デメリット2:スタッフにIT知識が求められる

レセプト作成から送信までの一連の操作をスムーズに行うには、事務スタッフに一定のITスキルが求められます。習得には研修が必要で、社内の指導役が不在の場合は、外部依頼など追加コストも発生します。

操作やトラブル対応に慣れるまでは現場の負担が大きく、導入初期は一時的に業務効率が低下する可能性がある点も考慮しなければなりません。

【対策方法】
・スタッフへの研修・教育体制を整備する
・スタッフが習熟するまで、外部のレセプト代行サービスを利用する

デメリット3:インターネット回線の整備が必要になる

オンライン請求にはネット回線が必須のため、未導入の場合は新たに導入が必要です。開通には手続きや工事が必要で、長期間待つこともあります。もし間に合わないと、オンライン請求の開始時期が遅れて、業務全体のスケジュールに影響が出てしまうでしょう。

また、回線が弱いと送信中にエラーが頻発し、作業が進まない恐れもあります。導入時は余裕を持った手配と、安定した通信環境の確保が欠かせません。

【対策方法】
・オンライン請求接続可能回線の要件を確認し、必要に応じてプロバイダーの変更や回線増強を検討する
・ゆとりを持ったスケジュールを組む

オンライン請求を導入するための4ステップ

具体的にどのような流れで準備を進めればよいか、お悩みではないでしょうか。では、オンライン請求を導入するための4ステップを紹介します。

出典:厚生労働省「オンライン請求開始に向けて 必要な準備作業について」p2

ステップ1:レセプトコンピューターとネットワーク環境を準備する

まずはレセプトコンピューターやオンライン請求用端末を準備するため、どの機械を購入するか検討します。また、現在インターネット回線を利用していない場合は、安全なデータ送信のために回線の導入も必要であるため、併せて検討を進めましょう。

ステップ2:事業者へ見積もり依頼し、発注する

購入するコンピューターや端末が決まったら、速やかに業者へ見積もり依頼を行い、発注を済ませましょう。機器の手配から実際の導入完了までには時間がかかるため、希望する開始時期に間に合うように、スケジュールに十分な余裕を持って準備を進めることが大切です。

ステップ3:審査支払機関への申請を行う

各都道府県の支払基金審査委員会事務局へ、保険医療機関届を提出します。あわせて、医療機関等向け総合ポータルサイトから「オンライン請求利用申請」と「電子証明書発行申請」も行いましょう。手続きは指定前月の中旬以降に、遅滞なく速やかに行う必要があります。

ステップ4:オンライン請求の運用準備を行う

最後に、運用開始に必要なツールを準備し、電子証明書発行通知の内容に従って設定を進めます。オンライン請求システムの設定や電子証明書のインストールを確実に行いましょう。これらの準備を万全に整えることで、トラブルなくスムーズに請求業務を開始できます。

オンライン請求を運用する前にやること

導入手続きは完了したものの、実際に開始するまでの準備に不安をお持ちではないでしょうか。では、オンライン請求を運用する前にやることを紹介します。

公的認証とセキュリティ対策を行う

オンライン請求には、ICカードやUSBトークン形式の電子証明書が必須であり、公的基準に沿って発行されたものを準備します。同時に、ウイルス対策やファイアウォールを整備し、外部からの不正アクセスから大切な患者データを守る環境を確実に構築しましょう。

事前に審査機関へ接続を確認する

本番運用の前に、審査機関へのデータ送信テストを必ず実施しましょう。事前に接続確認を行うことで、通信エラー等のトラブルを未然に防げます。

確認期間を見込まずに進めると、直前の不備発覚で業務に支障が出る恐れがあります。スムーズな移行のため、申請や接続テストの時間を十分に確保し、余裕ある計画を立てることが重要です。

スタッフへレセプト業務の操作を習熟させる

医療事務スタッフは、データ送信の流れやトラブル対処法を把握しておく必要があります。また、返戻や再請求の手順をスタッフ全員で理解することも重要です。繁忙期となる月末・月初に備え、操作手順や対処方法をマニュアル化し、院内で統一して運用できる体制を整えましょう。事前に十分習熟しておくことで、混乱なくスムーズに業務を行えます。

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オンライン請求でよくある初期トラブルと対処法

導入直後にエラーが起きたら、どのように対処すればいいのでしょうか。ここでは、よくある初期トラブルの例と、エラーが出たときの基本的な確認ステップを紹介します。

よくある初期トラブルの例

・医療機関コードやパスワードの誤り
・公的医療保険システムとの接続エラー(支払基金/国保連)
・通信環境(VPN・光回線)問題
・電子証明書の期限切れ

初期トラブルで多いのが、医療機関コードやパスワードの単純な入力ミスです。また、審査支払機関との接続エラーや、VPNなどの回線設定に不備があり送信できないケースも見られます。

他、意外と見落としがちな電子証明書の期限切れも原因になるため、エラー時は焦らず、まずはこれらの基本項目を一つずつ確認しましょう。

エラーが出たときの基本的な確認ステップ

1 オンライン請求端末の再起動
2 接続テストの再実施
3 電子証明書・コードの再確認
4 ベンダーの障害情報を確認

エラーが発生したときは、まずオンライン請求端末の再起動を試し、接続テストを行いましょう。それでも改善しなければ、電子証明書や入力コードの再確認が必要です。

これらで解決しない場合、自院の環境ではなく、審査支払機関でシステム障害が発生している可能性もあるため、公式サイトや窓口で障害情報を確認してみましょう。

なお、各都道府県の国保連合会や支払基金には、オンライン請求やネットワークについての相談窓口があります。トラブルが解決しない場合は、窓口への相談がおすすめです。

参考:オンライン請求関係相談窓口|社会保険診療報酬支払基金

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レセプトオンライン請求に関するよくある質問

オンライン請求の導入にあたり、設備やセキュリティ、スタッフの操作面に疑問をお持ちではないでしょうか。レセプトオンライン請求に関するよくある質問をQ&A形式で紹介します。

Q.小規模のクリニックでも対応できますか?

A.クリニックの規模を問わず、導入できます。

オンライン請求の原則義務化に伴い、小規模クリニックでも導入が進んでいます。既存のパソコンを活用する安価なプランや、ベンダーによる導入支援も充実しており、規模を問わずスムーズに移行できる環境が整っています。

Q.現在のレセコンをそのまま使えますか?

A. 多くの場合使用可能ですが、ソフトの更新や回線接続などの設定変更が必要な場合があります。

まずはメーカーや販売店へ対応可否をご確認ください。対応機でも、送信ソフトの更新やセキュリティ回線の敷設など、システム改修や設定変更が必要となる場合が多く、別途費用が発生することもあります。

Q.セキュリティ面は本当に安全ですか?

A. はい、インターネットとは隔離された閉域ネットワークや暗号化通信を使用するため、高い安全性が確保されています。

通常のネットとは異なる閉域網(IP-VPN等)を使用し、外部攻撃を遮断しています。また、電子証明書による端末認証やデータの暗号化により、情報の漏洩や改ざんを防ぐ厳格な仕組みが整備されています。

Q.スタッフが高齢で操作が不安ですが、よい対策はありますか?

A.ベンダーによる操作研修や電話・遠隔サポートなどの支援体制を活用するのが有効です。

多くのベンダーが導入時の操作指導に加え、電話や画面共有による遠隔サポートを提供しています。困った際にすぐ相談できる窓口があれば、PC操作に不慣れな方でも安心です。契約前に支援内容をご確認ください。

レセプトのオンライン請求導入で業務効率化を実現しよう

レセプトのオンライン請求は原則義務化されました。従来の請求方法に比べて、業務効率化や返戻減少など多くのメリットをもたらします。導入には回線準備や届出など所定の手順が必要ですが、適切な事前準備とトラブル対策を講じればスムーズな移行が可能です。本記事を参考に不安を解消し、早期にデジタル化の恩恵を受けられる体制を整えましょう。

オンライン請求は便利ですが、導入後のトラブルや運用負担への不安もつきものです。確実で効率的な請求業務なら、医療事務受託で豊富な実績を持つソラストにお任せください。専門スタッフが貴院の課題に寄り添い、安定した医事運営をサポートします。

著者プロフィール

著者:ソラストオンライン
医療事務コラム執筆担当
医師や医事課のみなさまをはじめとする医療従事者の皆様に、お役立ち情報を発信しています。
監修者:櫻井 寛司
医療法人の理事・理事長補佐として経営管理、財務、人事・労務、医師採用まで幅広く統括。 介護保険制度の開始当初から訪問介護・看護・リハ、デイケア、介護医療院など多様な医療・介護サービスの運営に携わる。 地域包括支援センター管理者や有料老人ホームの経営顧問も務め、地域医療・介護の体制づくりに貢献。 日本医療機能評価機構のサーベイヤーとして医療の質向上に取り組むほか、三次救急での臨床経験とMBAを背景に、実務と学術の両面から医療経営や介護制度に関する専門的な提言を行う。 2025年有限会社ラピモルト設立 代表に就任 医療福祉経営支援・研修支援会社 顧問先5社 2025年財団法人 IGP協会 理事

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